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新浪 剛史 氏
総会記念講演要旨「日本経済飛躍にむけ」
サントリーホールディングス(株)代表取締役社長
新浪 剛史
PROFILE
1959年横浜市神奈川区生まれ。1981年三菱商事入社、1991年ハーバード大学経営大学院修了(MBA取得)、2002年ローソン代表取締役社長CEO 同社会長を経て、2014年8月サントリーホールディングス顧問、同年10月より現職。公職(現職)経済同友会副代表幹事、内閣府経済財政諮問会議議員、内閣府税制調査会特別議員、世界経済フォーラム(ダボス会議)グローバル・アジェンダ・カウンシル Role of Business,Vice-Chairman

私は横浜の三ツ沢に生まれ育ち、将来は体育の先生になるかというほどバスケットボールをやって、大学を卒業するまで横浜におりました。ローソンからサントリーに移って、ほぼ1年になります。

また、私は内閣府の経済財政諮問会議議員という、日本の予算・税の仕組みを決める大変な役もやらせていただいています。

1.まずはデフレ脱却

日本はGDPの2倍の借金を抱えています。しかし、私は国が金を使わなくてはダメだと思います。こんなに借金をしているのになぜそんなことを言うかというと、デフレに問題があります。20年間デフレが続いたので、価格を下げる努力はすごくしますが、新しい価値を作ろうとしなくなってしまった。チャレンジの経営スピリッツがなくなってしまったのです。例えばコンビニで100円に価格を下げたおにぎりが出ると、皆が100円でやる。すると米の値段を下げろ、海苔の値段を下げろとなる。次の年には価格が下がって儲からないのだから、もし事業で失敗したら取り返しがつかない。だから(新事業に)民間がお金を使わないので、国がお金を使い、2倍の借金になったという20年でした。

お金は、大企業中心に、キャッシュフローとして70兆円が銀行にあるのに、銀行は国債を買って利回りを得、お金が投資に回っていかない。(借金を減らすために)国の使うお金を切れと言われますが、お金を使っていかないと日本の経済がダメになる。まず、デフレ脱却をしてから、その後に国の金を使わないようにしないといけない。

2014年はマイナス成長でした。消費税を3%上げたので、またデフレに戻ってしまった。社会保障への使われ方に問題はあるが、消費税は上げなければならない。今の構造のままで2025年に全員が後期高齢者になる団塊の世代を支えるには、消費税は20%と言っています。それで日本の経済はもつでしょうか。ダメでしょうね。私は、この3年が重要で、いろいろ手を打っていかないと、2025年に日本は破綻してしまうと思います。

いま消費税が10%になったら、なんとなく賃金が上がってきたと思っている人たちも、お金を使わなくなる。消費税を上げたうえに歳出を下げたら、二重に経済がおかしくなってしまう。消費の現場ではまだ価格の下げ競争をやっている。「こんなに安売りをしていたら大変だ」と思いつつ、相手がやるからやる。それをそろそろ止めようと、ちょっと高いプレミアムモルツを出したら、売れる。良い物がいいという人と、何より価格が問題だという人、市場が二つに分かれてきています。良い物を買って頂くようにマーケットをドライブしていかなくては。日本のGDPの6割は消費ですから、明るく元気に、明日は価格が上がるから今日使って、楽しく生きられるという社会に早くなっていかないといけない。

それには民間が持っている70兆円を使えばいい、その道を考えるのがアベノミクスです。例えば観光、カジノを含む統合型リゾートです。例えば健康診断に行ってもらって(健康寿命を延ばし、国が)薬業に出すお金を減らす。

2.人材確保に移民も必要

日本のこれからの大きな問題は人が採れないことです。でも、移民問題はタブーで、移民の前に女性や65歳以上の人に働いてもらおうと言っています。しかし、ベトナムやインドネシアのほうが日本より高齢化のスピードが速いし、一人っ子政策を実施した中国も海外から人を採らないと経済が回らなくなる。やがて人の取り合い競争になります。私も、ただ働きに来るためだけの移民は反対です。これからは、日本で3年間スキルを身につけてから帰ってもらう仕組みがあって、これを5年に延ばしたらどうか。さらに日本が好きで残りたいという人たちにはグリーンカード(永住資格)を出してもいい。日本は20万人ずつ人口が減って高齢化社会になっている上に、デフレで、新しいことにチャレンジしない状況です。若い人材を外からも入れて、そこへお金が行くようにしないといけない。工場も観光も回らなくなってしまう。

3.[統合型リゾートIntegrated Resort(IR)(カジノ含む)]も考えよう

ギャンブル依存症を心配してカジノに反対する人もいますが、日本は競馬競輪パチンコ、こんなにギャンブルのある国は珍しい。ギャンブル依存症は既にありますが、勝手になったのだからという理由で支援費が出ないので、研究が進まず、依存症のわかるお医者さんが少ない。対応する原資を確保しなくてはいけません。シンガポールでは、家族の訴えがあると入店できないし、内国人はかなりお金がないとできない。つまり社会的問題がある人はできなくて、むしろ外国人に遊んでもらう仕組みです。

日本は、カジノはIRの3%くらいで、その売り上げで観光全体を民間でやろうということです。日本は国際会議のあとで楽しめるものがない。シンガポールにお客さんを取られてしまう。まだ産業になっていない観光を産業にしていく一番の起爆剤はIRなんです。最有力候補は横浜ですが、反対意見をぜひ聞いていくことが大事です。海外の方がこれだけ大勢来て、国際会議をやりたい、おいしい食事をしたいと言うのですから、そういう場をこの横浜に作っていくこと、まずやってみようというチャレンジ・スピリットが大事だと思います。

4.高齢者に偏る受益、シルバー民主主義を変えよう

世代別の受益と負担のグラフによると、現役世代は負担が多くて受益が少ない。結婚したり子ども作ってと言われても、それどころではない。その中でデフレ脱却しましょうと言ってもできますか。負担が少なく受益が多いのが高齢者世代です。ただ、65歳以上の6割は年金が必要で、生活保護が必要な方もいらっしゃる。しかし、4割の人はお金を持っている。資産を5,000万円持っているのに、年金があり、医療負担は1割とか、受益がある。若い人は、ほとんどの人は負担の方が多い。

一番増えている負担は社会保険料です。給料が上がっても健康保険料と年金に取られてしまう。後期高齢者が増えるほど、これらは間違いなく増えます。だから消費税や健康保険料を上げて現役世代が支える。

このままでは現役世代がやる気をなくなってしまう。しかし、政治家は高齢世代に弱い。投票に行くのは、60歳以上が多いですから。シルバー民主主義で、「年寄りからお金を取るのか!」となってしまう。けれど、シルバー民主主義はそろそろ変えていかないと、子ども・孫世代はほんとうに貧して鈍してしまいます。若い人が元気でいられる社会に変えていかないといけない。

私は資産課税や相続税をもっと強化することに賛成です。相続税の最高税率は55%ですが、これを実際に相続税を払う人は4%です。課税対象者を拡大するなど、相続の仕組みを変える。もっとお金を使う、使わないなら社会に還元してもらいたい。病院や社会福祉施設に寄付をする。受益が多いからお金が貯まってしまう方は、年金をもらわないとか、1割負担でなく現役と同じく3割負担してもらう。この国をよくするためには、個人が良ければいいという社会ではなくて、助け合わなければできないことです。

日本人は、世界でもこれだけ嫌われない国民は稀です。心の余裕があったからです。横浜は先進的で開化的ですが、あまりにも地元主義になっていると、東京からは見えます。もっともっと新しい知恵を入れて、チャレンジしていっていただきたい。

5.会場との一問一答

●軽減税率については?

私は反対で、全部軽減するとお金持ちもベネフィットを得てしまう。生活保護対象者などに別途サポートするべきだと考えます。

●若い人とのコミュニケーションは?

時間を惜しまず、現場に話しに行くこと。メールはダメ、肉声で伝えること。現場の意見を聞こうというスタンスを見せる。自分が「こうしたい」と思ったとき、「そうだな」と相手も思ってくれるようにコミュニケーションしなくてはいけない。書類を見るだけで、コストカットばかりやっているのではなく、どういうことをやりたいか、一生懸命話したらいい。

●海外から採用する前に、高齢者を使ってほしい。働きたい人はいっぱいいるのに職がない。

方向としては、高齢者にも働いてもらわないといけないでしょう。ただ、若い人に場を与えるためにいったん引退していただき、新しい仕事を得る。そのためにコンピュータには慣れてもらわないと。IT開発で、そんなに難しくなくなっています。また、業種ごとの協会が既得権を守ろうとしているので、この岩盤規制をなくさなくてはいけない。例えば医師しかできない血液採取を看護師にできるようにし、看護師の仕事を介護士に回せば介護士の給料を上げられる。それらのことで60歳以上の方の働く場が出てくる。今の日本はネガティブな意見ばかり出て、やらない。やろうと決めればやれるのです。

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