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【2015.10】もっと出来る!?フールプルーフで事故防止を

事故やトラブル発生で今まで一般に知らされていなかった事が明らかになることがある。

首都圏を走るJR電車への給電の仕組みもその一つだ。今年8月4日夜、JR京浜東北線桜木町駅付近で起きた架線切断トラブルは、丁度「みなとみらい」で行われていた花火大会見物客をも巻き込み乗客35万人を長時間足止めさせてしまった。その原因は、本来停車をしてはいけない区間「エアセクション」で電車を手動で停止させ、そのまま発進させようとしたことだった。「エアセクション」とは聞きなれない言葉だが、電車へ電気供給するために必要な仕組みである。JR首都圏を走行する電車は安定した直流電圧1500Vの電気を必要としている。そのため、多くの変電所を配備している。異なる変電所からの送電を効果的に切れ目なくするためには「つなぎ区間」が必要である。その長さは通常支柱1〜2本分と言われている(その区間では並列に2本の供給線が30冦イ譴堂佑っている)。しかし、いくら同じ電圧を供給すべき2系統でも微妙に電位差が生じるため、電車はその区間を通常の速さで走行する限り問題ないが停止してはならないことになっている(ショートを防ぐ)。やむを得ず停止する場合は「エアセクション」間にパンタグラフがかからないように一旦下すなどの措置をしなくてはならない。そのような煩雑な手順を避けることから電車のATC(自動列車制御装置)をONにしている限り、その区間での停車を避けられる仕組みを導入していた。ところが、当日、運転手は桜木町駅での先行電車が停止している状態を目視し、ATCを解除、手動でブレーキをかけていた。桜木町駅では花火大会により、乗降客で混雑し、遅延があり電車間隔が詰まっていたという。「エアセクション」はJR首都圏に約170か所もあるというが、当の運転手にはどうも停止した場所が「エアセクション」区間という認識がなかったようだ。実は、この種のトラブルは今回が初めてでなく、2007年6月にさいたま市の東北線でも同様のトラブルが発生している。その後、JRではその区間で停車しないよう音声で知らせるシステムを導入したが、京浜東北線にはまだだったという。今回のトラブルを受け、JRではATC導入済の区間にも音声システム導入と乗務員教育を徹底させるという。

今年の夏も様々な事故が起きた。7月27日には調布飛行場を離陸したばかりの小型飛行機が近くの住宅地に墜落し、住民1人を巻き込む惨事となった。詳細な事故原因は8月末時点で調査中だが、運輸安全委員会によると、事故機は制限重量のリミット一杯での飛行であったとのことである。機体重量(1360 )に燃料が満タン(300 )、そしてパイロット含めて5人の乗員で制限総重量の1950 近くに達していたと思われる。安全委員会では更にエンジンの詳しい解析を行うことにしているが、重量オーバーでの離陸という線も依然として残ると思われる。この小型飛行機には総重量を計測し、警告を発するようなシステムは付帯していなかったのだろうか?

さて、人・システムはミスをし、また故障するものといった前提での事故防止策としてフェールセーフ(装置・システムにおいて誤操作・誤作動による障害が発生しても安全サイドにコントロールする)、フールプルーフ(間違った操作をしても事故が起きないようにする)がある。その観点から私たちは様々な分野で安全システムを作り上げてきている。しかしながら依然としてトラブル・事故はその隙間をぬって起きているのである。ハインリッヒの法則を持ち出すまでもなく、安全システムを進めていくには、些細と思われるヒヤリ事例などから謙虚に学び改善していくしかない。例えば、こんなケースをどう思うであろうか?セルフガソリンスタンドが一般化しているが、依然として油種の誤給油が絶えないという。JAFの調査によると毎月100件位の割で起きているそうだ。2013年9〜10月の2か月で258件、中でもガソリン車に軽油をいれてしまうというものが多いという。笑えない話だが、いまでも「軽自動車」には「軽油」と思い込んでいる人がいるという。給油装置には色分けした3本のノズル(法令によりレギュラーは赤、ハイオクは黄、軽油は緑と決められている)があり、通常であれば間違えようはないはずである。しかしである。では、車の給油口にその車にあった油種色でなぜカラーリングしていないのだろうか?良く見ればその種の注意書きはあるが、急いでいる、また、人から借用した車で良く分からない時に読まないこともある筈である。それらをある程度防ぐため、例えば、軽自動車の給油口のリングを赤くしておくだけである程度のミスは防げると思う。

人は時としてとんでもない行動に出る時がある。それがいたずら盛りの子供であれば猶更である。今年6月にドラム式洗濯機の中に7才の子供が入って出れなくなり、翌朝窒息死した状態で母親に発見されたという事故が起きた。仔細に検証すると、子供が入った日は丁度、新しい洗濯機が来た日だったという。業者が設置するのをその子供は興味深く見ていたという。どうもその夜に一人で入って出られなくなったらしい。ドラム式洗濯機は中からはロックが掛かり開かない仕組みになっている。メーカーではチャイルドロックもあり、また、分かりやすく警告文も付いているというが、果たしてそれだけで十分であろうか?たとえ、子供が入ったとしても洗濯機がスタートするまでは中から開けることが出来るようにしておくのがこの種の悲惨な事故を防ぐ唯一の方策と思うのだが、いかがであろうか。

私たちは安全システムの更なる向上に日々取り組んではいる。この10年、20年でも当時と比べれば格段にそれは進歩している。自動車の安全系のシステムはその典型と言えるだろう。しかしながら、すべての人といっても年齢、性別、訓練度等多様な状態を考慮した設計には道半ばである。起きてから「こんなトラブル、事故は想定外!」という前に、今一度たとえ間違った操作をしても事故が起こらない仕組みを原点に戻って突き詰めていってほしいものである。その鍵は、実は「ちょっとしたトラブル、クレーム」に潜んでいるのである。


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