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【2015.08】社員が納得するルール強化

毎日の忙しさにかまけていると小さな変化を見過ごすことが多い。そのような中、何かの拍子にふと「そう言えば最近・・」と思うことも多いのではないだろうか。例えば、電車通勤をしていると「最近、車内で化粧をする女性を見かけなくなった」というのもその一例だろう。以前は、1車両に少なくとも1〜2人、辺りを全く気にしないで化粧に励んでいた光景に出くわしたものだ。それが、最近全くと言ってよい程見かけなくなった。別に、「車内で携帯・スマホの通話をご遠慮ください」と同じようにアナウンスされていたものではないが、ここ1年位前からパッタリと無くなり、代わりに多くのスマホ操作の人たちに取って代わられたようだ。車内で化粧をしていた女性にやめた理由を聞いてみたいものだが、贔屓目に見れば理由の半分は「あまり品の良いことではない」という事に気付いたからではないだろうか。

また、「歩きたばこ」をする人も減ってきたと思う。千代田区をはじめとして、路上での喫煙を禁止し、違反者に罰金を課す条例化を進めている自治体が増えてきたことも大きな要因と思われるが、すれ違いざまに火傷したり、持ち物へ火のついたタバコを押しつけられる心配がなくなることは喜ばしいことと思う。ある自治体では5、6人が一団となって「路上喫煙禁止」の幟を持ちながら拡声器で呼びかけ、パトロールする程の徹底ぶりである。

喫煙に関連して最近話題になったことと言えば、ハンドボールの日本代表選手たちが北区にあるナショナルトレーニングセンターで合宿中に禁止されている宿泊棟ベランダでの喫煙が発覚し、 JOCから無期限の宿泊停止処分を受けたことである。この厳しい処分に至った背景として、4年位前から禁止区域での喫煙がほぼ常習化していたことが挙げられる。JOCの対応については各方面で賛否両論がわき上がった。あるコメンテーターは「吸ってはいけない所でただタバコを吸っただけなのに」「選手は結果を残せばそれでよいのでは」と選手を擁護する発言をTVで発言していた。その一方、「国を代表するスポーツ選手はルールを守るのは当たり前」といった今回の処分に賛同する声も多く聞かれている。

さて、今年6月から道路交通法が一部改正され、自転車の交通ルール違反の罰則が強化されることになった。危険運転として14の項目が決められ、危険運転によって違反切符、もしくは交通事故を3年以内に2回以上行ったときに「自転車運転者安全講習」の履行が義務付けられた(講習不参加者へは当然罰金が科される)。14の項目には、「信号無視」「通行禁止違反」や「酒酔い運転」などが挙げられているが、いずれも従前より運転者、通行人にとって危険な行為であることに間違いはないのである。6月に入ってから早速、警察による危険運転自転車への取り締まりも強化され、違反切符を切られる光景もよく見受けられるようになった。今まで、自転車は道交法上での「車両」と理解しつつも、「たかが自転車位で、何も・・」といった考えがあったことは否定できなかった。しかしながら、自転車と歩行者との衝突などで、死亡事故や重傷を負ったケースが多く報告され、中には数千万円の賠償を求められた判決があることも自転車を乗る人には理解しなくてはならない事実だろう。

このように、世の中のルールは決して緩むことなく強化されているが、「そのことは私達にとって好ましい事なのか?」と改めて考えると、「厳罰化で事故、犯罪を防ぐことができるのか?」というテーマにぶつかる。確かに、昨今、少年法の課題などが紙上、マスコミで賑わったが、そのことは企業内でのコンプライアンスの抱える課題とダブってくる。企業でも元々のルールに加え、何か問題が起きる度に社員に対する「イエローカード」「レッドカード」の項目が増えてきているのではないだろうか? 例えば、「情報漏えい」「情報流出」などは度々紙面に載るが、企業側はそれを防ぐ対策に加え、手を染めた社員に対する厳罰化を強化せざるを得なくなってくる。社員にとって、このようなケースでは当然のことと理解できるものの、一般に社内のコンプライアンス教育で「なぜ、罰則を強化しなくてはならないのか?」という視点がどうも抜け落ちているケースも珍しくない。例えば、「顧客からのクレームを漏れなく、逐次上司に報告すること」とルール化されていても、顧客からの電話、対応した社員が自分の基準で「何もこんな事ぐらいで報告しなければならないのか?」と判断し、上司へ報告しないで埋もれてしまうことは決して珍しくないことだろう。場合によっては、その結果、日を追うごとに同種のクレームが殺到し、対応が後手後手となってしまうこともある。後で調べてみた結果、最初のクレームは1週間前にあり、その時点で適切に対応、対処していれば大きなブランド毀損を避けられたといったケースも珍しくない。そのような事態を防ぐことから、「顧客からのクレームは漏らさずに所定のフォームで報告すること」と決めているのである。それを怠った担当者には当然ペナルティが課せられるということの真意を理解させるプロセスが必要なのである。初めから、「行為→罰則」だけで、その理由なしでは、社員自身に「なぜなのか?」という本質を考えさせる習慣が育たない。

罰則を強化するに際しては、その説明に時間を十分に掛け、その背景、理由を理解させなくてはならない。社員が心より納得しないルールのみの強化は決して問題の解決にはならないのである。


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