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【2014.08】どこまで監視したら良いのか−ネット社会のディレンマ−

近年の犯罪捜査に強力なツールとして利用されているのが街中至る所に設置されている監視カメラである。駅の内外、コンビニ周辺をはじめ要所要所に設置されているカメラの録画映像を解析していけば、周辺で発生した犯罪の関係者を特定できるし、車で逃亡した場合にも主要道路、高速入口などの自動ナンバー読取機を追っていけば犯人を追いつめることが容易に出来る。今年6月に発生した女子中学生連れ去り未遂事件も監視カメラは元より、たまたま通りかかった車のドライブレコーダーのデータが決め手となって早期の犯人逮捕に繋がった。

日本国内の監視・防犯カメラは年々増加し、現在推定で約300万から400万台が駅、商店街などを中心として設置され防犯対策として有効に機能しているが、その存在を一般の利用者、通行人は殆ど意識しないでいる。しかし、ひとたび街を歩けば忽ち何十台というカメラの被写体になり、嫌が上にも監視されているのが都会で暮らす人々の生活環境と言えよう。

1年程前にコンビニ、外食産業で働くアルバイトが悪ふざけでアイスクリームケースや冷凍庫などに入って、その様子をTwitterやFacebookにアップし、時としてそれが炎上、大問題に発展したことがあった。あるコンビニではフランチャイズ契約を本部から解除され、ステーキ店での行為では顧客の信用を失墜させるところまで発展してしまった。その結果、ステーキ店オーナーはその店舗を閉鎖する事態にまでなった。当人はほんの遊び心のつもりだったのだろうが、被害を受けたコンビニ店のオーナーは警察に被害届を出し、威力業務妨害容疑での取り調べに、また、損害賠償を請求することにまで発展したところも出て来ている。当人たちは一様に「こんな大事になるとは思っていなかった!?」と口を揃えるが、このような行為に及ぶ心理状況として考えられるものの一つとして、投稿後に友人たちからの返信を期待していることが大きいものと思われる。Facebookで言えば「いいね!」の数であり、また、フォローコメント数を自慢し合うのが楽しみと言える風潮があるからだ。その一方、大きなリスクを抱える管理者として同様の行為をどのようにして規制していけば良いのかは喫緊の課題であると言えよう。

今年6月21日、JR九州の指宿枕崎線を走行していた特急「指宿のたまて箱2号」が、折からの大雨で線路に流入した土砂に乗り上げて脱線した(薩摩今和泉−生見の間)。乗客15人が重軽傷を負ったが、幸い死者を出さずに済んだ。運転していた28才の運転手は事故の報告を会社へ連絡した後、ニュースを見た知人からの問い合わせ(LINE)に対して、事故直後の車内外の写真を添付し「死ぬかと思った」「脱線している」などと現場の出来事、心境を投稿していた。その中の写真には、土砂が車両に迫ってきている様子が含まれていた。JR九州ではLINEで発信された文書、写真が友人からネット上に拡散することを恐れ、情報管理の問題が無かったかどうかの検討に入った。

JRはじめ私鉄各社でも勤務中に私用の携帯、スマホで通信、メールの送信などの行為がたびたび発覚し、その都度厳しい処分が科せられている。

このニュースで気になったのが運転手・車掌の携行品に関する管理である。この運転手は私用の携帯電話を持って乗務していたのだが、JR九州ではその辺りの規定がなかったのだろうか?

JR各社では勤務中の携帯電話等の使用を禁止しているものの、一般に乗務中の携行までは禁止していない。ただ、乗車前の業務点呼時に電源をOFFにしてあることを確認しているだけという。これでは勤務中に誰も見ていない環境にあれば、電源をONにして通話、メール、アプリを使ったゲームなどに興じる誘惑に駆られやすいのではないだろうか。ただ、この辺りはあくまで本人の自覚の問題なのだという。とは言え、性悪説に立って乗務員室まで監視カメラを設置してモニタリングすることまでは出来ないだろう。

今回、JR九州の件の問題は乗務中に携帯を使用したことにあるが、更に現場のリアルな映像が瞬く間にネットを介して拡散してしまう恐れがあったことである。と同時に、乗務員としてこのような緊急事態をどう捉えていたかという点も明らかになってしまった。乗務員であれば真っ先に乗客の安全を確保、救出・救護し、二次災害の危険を出来るだけ減らすことが勤めの筈であった。その当たり前のことを放っておいての行為は如何なものであったのだろうか?

現代のネット社会では社員のちょっとした軽率な行為がその企業全体の信用を失墜させてしまうリスクがある。では、出来る限り厳格に社員を監視すればよいのかという命題に直面するし、と同時にプライバシーの問題にも突き当たる。結論を言えばある程度の監視は必要であるが、その前に「何がNGなのか?」ということについて十分な教育、指導があるべきである。そして、NGの理由についても一方向だけでなく、社員の立場に立った説明が不可欠といえるだろう。社員のメールをはじめとする監視の程度、方法については企業形態などそれぞれだが、会社としてキチンと「なぜここまでやるのか?」について納得のいく説明を繰り返し行う時期に来ているのではないだろうか。


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