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【2014.02】事故防止のためのコミュニケーション力

経団連の調査によるとここ10年位に亘って企業の新卒者採用基準の第一位に「コミュニケーション能力」が挙げられている。以下、「主体性」「協調性」「チャレンジ精神」と続くが、意外なのは将来幹部として必要となる「リーダーシップ」や「創造性」に重点を置く企業が少なく、この2つに限っては10位以下となっていることである。「コミュニケーション能力」が重視される背景には、それだけ組織に入ってからの社内外人間関係構築が不得手な人が多いということに他ならない訳で、苦手な人や今まで接してきたグループと異なる方たちともうまく意思疎通が出来ることが社会人として最低限の資質ということを顕しているのではないだろうか。

コミュニケーションとは一般に言葉を介して「相手の考えを理解し、自分の考えを表現すること」であるが、それには「自分」と「他者」との人間関係に配慮し、適切な態度と言葉づかいが求められることは言うまでもない。このような基本的な資質が今の若者に欠けているとは一概にいえないが、その能力の醸成を阻害しているのが過度なスマホや携帯など情報端末の使用であると思われる。特にツィッター、フェースブックなどSNSの普及で相手の生の顔、表現、ニュアンスをカットした部分だけでのやりとりに慣れてしまうと様々な人との本当の意思疎通が面倒になりやすいからである。

過度なスマホ・携帯使用の弊害は交通事故や駅ホームからの転落・電車との接触事故などにも表れ、少なからず命を落としてしまうことにもなっている。近年、JR、私鉄ではポスターを貼るなどでこれらによる事故防止に本格的に取り組んでいるが、「今、どのような状況で画面を見ている、操作している」といったポイントがすっかり抜け落ちやすい状況を作り出してしまうのが情報端末操作の怖いところである。昨年にはスマホの操作をしながらバーが下りている踏切を渡ろうとして電車に跳ねられた事故まで起きている。情報端末の操作は、「危険」と「危険でない」との境界をあやふやにしてしまう恐ろしさがあるのである。自転車に乗りながらスマホを操作しているなどは正にその典型といえるだろう。

一方、それらの行き過ぎた状況に危機感を覚える人も少なくはない。

情報端末による社業への影響をいち早く感じて手を打った企業がある。岐阜県にある岩田製作所である(岐阜新聞2013年10月25日)。社員数90名、産業機械部品メーカーであるが、岩田社長さんがスマホから従来型の携帯へ切り替えた社員に「デジタルフリー奨励金」として月5、000円を出すことにしたという。そのきっかけは、休み時間の社員の行動を見ていた社長さんが危機感を抱いたことからである。殆どの社員が、昼休みに同僚と会話することなく、只スマホを操作していることに違和感を覚えたという。7月に社長さんの発案で始まったこの制度、20名が手を挙げたそうだ。社長さんによるとその効果たるや「以前と違って、最近は積極的に仕事や家庭の話をすることが定着してきた」という。また、「スマホに振り回されずにいることが何年か先には会社の競争力になっている」「ITを使いこなすことは大切、ただ、負の側面があることを忘れてはならない」とも強調している。

さて、アナログ的コミュニケーションの大切さとして広く日本に定着しているのが、報告・連絡・相談の「報連相」である。「ホウ・レン・ソウ」が企業を強くすると昔から言われているが、どうも形骸化している側面もあるようだ。つまり、何を、いつ、どのように上司、同僚に伝え、時として一緒に考えなくてはならないか?と言った基本をおろそかにし、闇雲にマニュアルにあるから、時間が来たからといったことで行われていることも散見されるからである。「報連相」のポイントは、事の重要度に従って、タイミングを外さないで、キーマンに伝えることであり、中でも「重要性」に関する意識の統一を図っていかなければならない。重要性の最たることは組織にとっての「悪い情報」である。とかく、「良い」「耳ざわりの良い」情報は早く伝わりやすいが、組織にとって隠ぺいしたいことはなかなか部門外にすら出したくない傾向がある。そのため、対応が遅れ致命傷にまでなることも珍しくないのだ。従って、部下には常日頃から、「悪い情報ほど早くだすように」と言い含めておく必要がある。但し、その前提として「たとえ個人の失敗によることでも罵声しないことと懲罰の対象にはしない」という不文律も不可欠である。その前提がなければ絵に描いた餅になってしまうことが多いからだ。

近年、外国人を社員として雇用する企業が増えてきた。日本企業で当たり前のように行われている「報連相」も外国人社員にとってはなかなか理解しづらいもののようだ。なぜなら、自分の職分を明確に線引きしている西洋式仕事の進め方は「行動」と「成果」とが連動しているものであり、途中での進捗状況に関して上司に報告したり、方向性についての助言を得るといったプロセス・時間は外国人社員にとって無駄と考えるからである。

今、多くの企業に外国人社員が見受けられる。東南アジアからの人材も多い。そのように日本人と外国人とが同じような職種で働く時に、「報連相」が仕事の進め方だけでなく、「ヒヤリ・ハット」を含めた労働災害防止の観点からも大変重要な側面があることを伝えていく必要があるだろう。その背景には、自身、同僚を災害から防ぐという最優先で取り組まなくてはならないことが含まれているからである。「ヒヤリ・ハット」事例の収集、「危険予知活動」などには「報連相」を含んだコミュニケーションが不可欠である。

日本が誇れるのは世界的に勝る様々な技術はもとより、長い労働災害防止活動からの取り組みがあることを自信をもって広めて頂きたいと思っている。


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