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【2013.12】現有のリソースを活用する

大きな事故・災害が起きるとIFを考えることが多い。「もし、あの時に適切な処置がとられていたら」「こんな事態になる前に設備を整えていたならば」云々。東電福島第一原発も高台に自家発電装置を移していれば、こんな事態にならずに済んだと思われる。その費用たるやわずか10数億円程度だったろう。その金額的損失と比べると数千分の1の投資であった。最近では、今年10月11日未明に福岡市で起きた整形外科医院の火災が考えさせられる。元院長夫妻と入院患者に死者10名もの犠牲者を出してしまった。火災後TVの報道では、防火戸の不備を指摘しているものが目立った。「一度も点検されていなかった防火戸。閉まる筈の防火戸が閉まらなかったため火災が拡大した」というような論調である。また、現消防法でスプリンクラー設置義務対象にならない小規模医院へも設置を義務つけるべきである等々の声も挙がっている。スプリンクラーはさておくとして、確かに防火戸の閉鎖があれば、火災はこれ程大きくなることはなかった事は事実としても、いくつかの疑問が残る。「なぜ、初期消火が行われなかったのか?」もその1つである。医院には火災発生当時の夜、看護師1名が当直していた。地下1階にいた看護師がたまたま1階に上がって、処置室からの火災を目撃している。看護師は驚いてそのまま外へ出て、通りかかったタクシー運転手に通報を依頼したという。タクシー運転手は110番通報し、続いて消防への連絡となったと言われている。看護師のその後の行動は不明であるが、外へ出る前、近くにある消火器を使って初期消火していればこのような惨事にならずに済んだ可能性は大きい。スプリンクラーは無くても、この規模の医院であれば消火器は各階に1、2本は置かれている筈だからである。しかし、「消火器による初期消火」これが簡単そうで意外に難しいのだ。普通人にとって、燃え上がる炎を見た途端に床がスケートリンクになると言われている。たまたますぐ近くに消火器があり、その使用方法についての知識があれば難なく消火活動に移れる。しかし、1秒を争う時、付近に消火器が見当たらず探すだけで機を逸してしまうことも珍しくない。「逃げるべきか、消火すべきか?」判断の分かれるところでもあるし、通常事務所等にある消火器(ABC消火器10型)の放射時間もわずか15-17秒と短い。従って、火炎が天井、カーテン等に移ってしまったら消火器1本での消火活動は難しく、すぐ逃げた方が良いのだ。そのような瞬時の判断・行動がその場で求められるからである

ハインリッヒの法則(一般に1件の重大災害の裏には29件の軽微災害があり、その裏には300件のヒヤリがあるということ)をひも解くまでもないが、重大災害にならずに済んだものにはキーマンの機転・行動によって、すんでの所で難を逃れたケース(ヒヤリ)も多い。火災原因上位にも電気器具・機器の不具合によるものが多いが、福岡市の医院火災も医療機器付属の温熱機付近から出火していることから、電気系統が原因と推定されている。電気設備に関しては、法律(電気事業法)により定期調査が義務付けられている。一般家庭のように低圧は4年に1回であるが、高圧の受変電設備を有する事業所では定期点検として、一般に電気保安協会と契約を結んで月次の検査が行われている。この月次検査で変圧器等に異常が発見され、大事になる前未然に防いでいる例も多い。例えば、過電流による端子の過熱、漏電、小動物の侵入によるショートなどが定期点検によって発見され事なきを得ている。このように外部リソースを活用することも事故防止に有効である。

さて、日常の業務で忙しい日々の中、どのようにして火災、労働災害、交通事故などを防いでいけば良いのか?頭を悩ましている事業主の方も多いのではないだろうか。

その解の一つとして、従業員の更なる戦力化を図られてみてはいかがだろうか。例えば、どの事業所でも火災発生のリスクはある。年1回は避難訓練、消火訓練などを実施し、ある程度の成果は残していると思う。ただ、火災を発見した時、本当に消火器、消火栓を使って消火活動が出来るのかというと疑問符が付く。なぜならば、どのタイミングで、誰が居た時に火事が起きるということは分からなく、使用方法について全く経験のない、もしくは入ったばかりの新人がたまたま出火現場に居合わせることもあるからである。そのような場面に遭遇しても、すべての従業員が消火活動、避難誘導出来ることは大変な戦力となりうる。そのために、新入社員教育の一つとして、消火器、消火栓使用のカリキュラムを入れる。更に毎年の火災訓練にも、従業員の1/3〜1/4のスタッフが必ず消火器・消火栓による放射訓練を行うなどを実施することを取り入れてみてはいかがだろうか。これらの継続した訓練を経て、従業員の誰でもが初期消火に対する自信を持つようになり、万一の時に大きな戦力となりうるのである。

また、このような取組を進めていくと、自然と労働災害、交通事故の防止に対するマインドに変化が起き、全国安全週間、交通安全週間等の期間での自主活動にも良い結果を与えることが出来るようになる。

新しくスプリンクラーなどの設備を設置することは確かに防災として有効な手段に違わないものの、設置費用で二の足を踏む事業所も少なくない。そのような中、現有の設備をいかに有効に活用するかも一考に値するのではないだろうか。そのために従業員を含めて既存リソースの更なる活用を模索してはいかがだろうか。


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