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【2013.10】現状を判断し適切な行動をとる

先日ラジオを聞いていたら、思わず「わが意を得たり」といった話があった。番組はスタジオに与党の代議士を招き、原子力発電の可否、福島第一原発事故に関するリスナーからの質問にその代議士が答える内容だった。様々な質問の中で、汚染水処理問題に関してリスナーが「政府、東電の言うことがよく変わり、何を信じたらよいか?」と投げかけたことに対し、「政府機関等の発表にしても内容が常に正しいということは有りえない。種々の情報の中から自己の判断で何が正しく、何が正しくないのかを見分ける尺度をもつことが大切」ということが返ってきた。質問者は肩透かしを受けたように二の句を告げられない状況でしたが、私たちはお役所、大企業の発する情報に対し、とかく疑問を持たないで鵜呑みすることが多いのではないだろうか。しかし、その中で何が正しい情報か?を考えることは大切なポイントだ。現代は情報過多の時代だからである。

今年の夏は東北、中国地方で集中豪雨に見舞われ大きな被害が出た。1時間雨量が80〜100个箸い辰震堽なものだった。気象庁ははじめて「今まで経験したことのない大雨」といった表現を使った警報を出したが、この表現を地元の市役所が同質の緊迫感をもって捉えていたかは疑問だった。ある中国地方の市役所は、市民からの問い合わせに翻弄され避難情報を発するのに機を逸してしまった。しかし、別の自治体では、町の防災監が着々と入る大雨の情報を総合的に判断し、河川氾濫、土砂災害の危険性が高い地域住民にいち早く避難勧告を発し、大事に至らずに済んでいる。この2つの役所の違いはどこかといえば、責任者の権限と責任を明確にしているかと言うことと、責任者が普段から大雨で危険性の高い地域をくまなく歩いて現場の情報収集に当たっているかということに尽きるようだ。

市役所の防災課チーフにどのような権限があったのだろうか?対照的にすべての判断は防災監に任せるというシステムを組んだ所との差はこのような状況下で顕になる。

気象庁は今年8月30日から大雨等で一番危険性の高い段階を「特別警報」という名称を使って運用することになった。しかし、「特別警報」を発した所で、大雨の程度を判断するのは地元の市役所であり、また、避難場所へ移動するのは当の住民である。ここでも正しい判断が「まだ大丈夫だろう」といった安易な予断を翻し、人命を失わせない大切なポイントであることを忘れてはならない。

では、正しい判断をするにはどうしたらよいのだろうか?

大雨を例にとると、自宅の置かれている条件を正しく掴んでいるかということから始まる。よく避難先のインタビューで、「ここに住んで30年経つが見たことのない大雨と増水だった」といったことを耳にする。自宅前を河川が流れている、すぐ裏山が迫っているというだけで災害発生の危険性は格段に高い筈だ。それに対して、早期避難を妨げることは、「今までに増水したことはあったが、氾濫、土砂崩れはなかった」という経験則からくる判断である。一方、お年寄りで一人での移動が困難な状況も中にはあるということも含まれていることは当然鑑みなくてはならないが、人は経験から判断することが主な要因であることに間違いはない。経験からの判断と大雨が続いている現状をどのように一致させるのか?といえば、河川が氾濫することでどのような被害がでるのかということのイメージを正しく認識することに尽きる。人は自身で想像できないことに対しては、適切に備えたり対処出来ないものである。想像を絶する雨量とは、具体的にどれほどのものなのか?ということを行政はVTRなどを使用して地域住民に対して繰り返し啓蒙しなくてはならない。そのイメージと行政からの情報(特別警報)がマッチングすることで正しく判断し、災害を未然に防ぐことが出来るのである。

さて話は変わるが、今年7月に発覚した美白化粧品の回収問題は重い症状の利用者だけで2,000人を超えた。回収費用、治療費・慰謝料はもとより、店頭から美白商品群を撤去したことによる今後の売り上げ減、また、ブランドイメージの低下は計り知れなく重くのしかかってくる。この発端は今年5月皮膚科医師からの問い合わせだった。その事実を確認するのに時間がかかり、また、社内では皮膚の炎症等と商品使用との因果関係がはっきりしない段階で主力商品である美白化粧品を回収すれば、社運に致命的打撃が蒙るとの回収に反対する意見が多かったという。事実、社内は化粧品本体を運営する組織と親会社との2重構造になっており、ブランドを守りたい思いと、あくまで組織を存続させていくための方策を取るべきという2つの勢力がぶつかりあい中々結論が出ないまま時間だけが経って行った。その間にも消費者からの問い合わせは続いていた。回収という最終判断を下したのは6月末に開かれた親会社の経営会議だった。続いて化粧品部門の追認で7月初めのお詫びとリコールの記者会見となっていく。

この回収問題で話が大きくなったのは「今、何が起きているのか?」という情報収集に時間がかかりすぎたことと、その情報内容を精査することに得手でなかったこと、更には、販売を継続することでの利潤に対し、最悪のケースとしてどのような不利益が及ぶのかといったイメージが乏しかったのではないだろうか?

この事例のように企業文化の違う2つの組織が統合するに際し、良い所だけを継承することは極めて難しい。そのような事態に何が求められるのかといえば、「現状を判断し、正しい行動をとる」という強いリーダーシップに他ならない。それには、幹部が様々なケースを想定して、イマジネーション力を高めていくしか方策はないようだ。


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