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【2013.04】安全管理徹底の重要性

近年、自転車走行マナーの悪さが目立つようになった。歩道でのスピード走行、信号無視、二人乗り、夜間の無灯火などをよく見かける。それに伴い歩行者との接触やトラブルも増えてきている。警察も悪質なものに対しては反則切符を切るなどの方針を明らかにしているものの、中々この風潮は改善されない。自動車を毎日運転していて感じることは、ここ1、2年目立つようになったある乗り方だ。それは歩道を走行していた自転車が後ろを振り向くことなくいきなり車道に出てくることだ。本人は安全で当たり前の走行と思っているようだが、すぐ後ろを走っているクルマにとってみれば咄嗟に急ハンドルで回避する事態にもなりかねない。最悪、自転車を巻き込むか、もしくは対向車との接触事故を誘発することに繋がり易い。車道に出る前、一度でも良いから後ろを振り向くといった行動をとってくれればそれなりの対処は出来るのだが、なかなか簡単な行動すら取ろうとしないようだ。経験から言えば、このような自転車の乗り方は少なくとも4、5年前までは無かった気がする。この種の無意識の危険な行動は社会全体に伝播するのだろうか?

以前読んだ書に新しい社会行動も初めは一部のホンの少しの変化がもたらし、それが瞬く間に全体に伝播していくということが書かれていた。安全意識の低下も伝染しなければ良いと思わずにいられない心境である。

「何が危険か分からなければ安全は創れない」は、蓋し名言である。この世に絶対安全な空間は存在しないが、その時その場所での危険性の度合いを通常より厳しく判断することが事故防止の要諦である。例えば、歩行者が交差点で信号待ちをしている時、どこで待機するだろうか?多くの人々は信号が変わったらすぐ飛び出せるように横断歩道ぎりぎりの所で待っている。このような行動、車は絶対に飛び込んでこないという前提で成り立っている。しかし、信号待ちしている所に車が飛び込んで歩行者が亡くなった事故は少なからず報告されているのだ。近年では横浜で勤務帰りの女性2人が巻き込まれて亡くなった。待っていた所その差わずか数メートルが生死を分けた。たかが信号待ちでそこまでするのかーあまりにも神経質すぎるのではーとのご批判もあるが、正に万が一のことを考えたら交差点から少し離れて、電柱など障害物の後ろで待つのが得策と言えるのではないだろうか。

さて、社会全体での安全意識の劣化は目を覆うばかりである。その分、重大災害も頻発している。今年1月に江東区の清掃工場で作業員が保守作業中に足場から転落し、コンベアに巻き込まれて亡くなった( 東京新聞2013年2月18日)。報道によれば、事故はごみ焼却炉の中のボイラー水管についた飛灰をサンドブラストで落とす作業中に起きた。被災した作業員は清掃工場事務組合から委託を受けた会社から更に負った下請会社に所属していて、この作業は初めての経験だったという。元受は安全講習会を開いて事故防止の徹底を図っていたが、現場ではあってはならないことが2つ重なっていた。一つはボイラー底部から3mの足場にあった縦60僉横75僂粒口部であり、もう一つは保守作業中も動いていた灰を掻き出すダストコンベアである。開口部は閉じられるようにはなっていたが、事故当時開いていて、被災者はそこから3m下の底部に転落した。転落しただけならばそのまま死亡には至らなかった可能性があるが、転落した所には螺旋状の灰掻き出し用の金属性コンベアが動いており、それに挟まれたらしい。現場には当然照明は無い、恐らく被災者はヘッドランプなどで周囲を確認しながら足場から降りようとし、開いていた開口部から転落したと思われる。この種の転落事故は建設現場では昔からよく報告されていた。建設業界ではそのために様々な対策を打ち出してきている。先行足場の設置、開口部には柵を設ける、安全帯の徹底などが代表である。そのために、木造住宅建設現場での転落災害減少にかなりの効果を上げてきている。この事故も現場に十分な照明と開口部に柵を設け、さらに安全帯の徹底を図っていれば防げた筈である。また、保守作業中になぜ、ダストコンベアが動いたままだったのかも疑問の残る所である。その点、作業を請け負った元受と発注側との作業手順のすり合わせが十分に行われていなかった印象は否めない。

この事故を通して感じる事は、被災者はさて置き、現場に対する危険に対するあまりにも低い認識である。元受担当者、発注者ともに一度でも作業現場に行き実態を見たことがあるのだろうか?劣悪な労働環境もさることながら、結果的に高所作業に対する恐ろしい程の危険性無視の認識である。元受も下請にまる投げの形で作業を続けていたのではないだろうか。当然、現場での安全管理も下請任せで元受の作業主任者の配置すら行っていなかった可能性もある。

近年、コスト削減等により外注化が進んでいる。外注先で働く作業員には、初めて現場に出る人、アルバイト、高齢者など作業に対する十分な認識・能力、教育が行き届かない人も当然含まれる。そのような中で事故を防ぐには単に決められた安全講習会を開催する、保護具を配布するなどだけでは当然、不十分である。元受は現場で決められた作業手順が行われているのか、墜落・転落防止の対策は十分か、また、安全帯を含めて保護具装着は実行されているのかなどの確認と指導・改善を責任もって行っていかなければならない。

社会的に安全への関心が薄れている現代だからこそ、また重層請負といった複雑な雇用形態の中で安全管理は今まで以上の工夫と徹底を求められているのではないだろうか。


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