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【2012.10】障害者雇用の効用

来年4月1日に障害者雇用促進法(正式には、障害者の雇用の促進等に関する法律)が一部改正実施され、従業員に占める障害者の割合、つまり法定雇用率が変更される。従来、民間では1.8%だったものが2%に、また、対象となる事業所の規模も従業員数56人以上から50人以上となる。つまり、従業員50人の会社では障害者1人以上の雇用が義務付けられることになる。厚生労働省では、さらに近い将来、従来、障害者の範疇に身体、知的障害者のみだったものに、精神障害者も加える方針である(現在も精神障害者保健福祉手帳を持っている方を雇用した場合は身体、知的障害者とみなしてカウントされる)。

障害者の雇用については、あまり進んでいる状況ではなく、平成23年6月時点で対象とされる7万5千社の内、達成率は45・3%と低い。多くの企業では、未達の見返りとして、国に一人当たり月5万円納付しているのが現状である。その背景には、障害者を雇用した場合のデメリット、業績への悪影響を懸念する声が根強い。

では、本当にそうなのだろうか?

ここに、永年に亘って障害者雇用率のトップ(従業員1、000人以上の企業で)にあるのが、ユニクロを展開するファーストリティリング社(FR社)である。FR社の従業員11、000人の内、890人(平成21年で)が障害者である。法定雇用率の4倍以上という高さである。国内ほぼすべての店舗に障害者を1人以上雇用している。更に、この流れは海外店舗にも及び、韓国、台湾でも始まっている。ゆくゆくは全世界の店舗でも推し進める計画という。FR社の柳井CEOによれば、障害者を雇用するのは単に社会貢献をするためではないと言い切る。「障害者を雇用することで、会社にプラスとなることが分かったからである」と。一例として、店舗従業員が障害者と一緒に働くことで、お互いにフォローし合うなど、目に見えてチームワークが良くなり、結果としてモチベーションとサービス精神が高まったとしている(月泉博著 「ユニクロ世界一をつかむ経営」より一部引用)。ユニクロ店での障害者の役割は、入荷した商品のサイズ、色の分類、店舗清掃等に限られているが、どうすれば障害者が働きやすくなるか?などを日常業務の中で考えることが、チームワークの向上に寄与していると思われる。

ユニクロと同じように健常者に交じって障害者がいきいきと働いている職場は多い。そのような職場に共通するキーワードは「障害者に出来ることを考え、具体的な仕事の指示を出している」ということだ。

さて、障害者を雇用するに当たって注意すべき点は、労働災害の防止を一層進めなくてはならないということである。以前、ホテルなどから出るリネン類を洗濯する工場で知的障害者が被災したことがあった。それは最新のクリーニング一貫ラインの投入口で発生した。持ち込まれたリネン類をコンベアに乗せて大型の洗濯機まで運んでいたが、コンベアが何かで止まったとき、不意に障害者の従業員が詰まったものを取り除こうとして手をいれた瞬間に、コンベアが動き出して手を挟まれたものだった。被災した周辺にはその時、健常者の従業員はいなかった。

この事故の原因は、コンベア自体にセンサーなどがついておらず、また、コンベアのスイッチも誰でもが触れられる所に設置されていたことなどが挙げられる。恐らく、近くにいた同じ障害者が善意でスイッチを押したものと思われる。この事故の教訓としては、コンベアの停止時には赤色ランプが回転するなどの措置をとる(近くに健常者がいなくてもすぐに現場へ急行できる)ことと、再起動は安全を確認しない限りできないような仕組みをとることなどであろう。

このような事故は障害者だから起こすのだろうか?実はここがポイントである。労働災害は障害の有無に関係なく発生する。また、その原因に大きな差異はない。ただ、障害者がより安全に作業しやすいように工夫してあげる必要はある。今まで、健常者が働いていた所の交代要員として安易に障害者を配置すれば、このような事故は起きやすくなるのだ。

従って、そのような視点から現場を見渡せば、不安全状態や行動がいやでも目に入り、結果として健常者も含めてより安全な職場へと導くことができるのではないだろうか。そこに新しい労働災害防止のヒントが隠されていると確信する。

そうは言っても障害者を雇用するに当たって、一般の企業では躊躇する部分は多い。その理由は、障害者とどう向き合っていけば良いのかが想像できないからだ。また、作業効率も格段に落ちるのではとの不安もあるだろう。しかし、ユニクロのようにプラスの面へ転化させ、その結果、チームワークの向上、作業改善提案などのモチベーションアップに大きく寄与する面も決して見過ごせない。

もともと社会は多様な人の集まりである。弱者もいれば、ある分野に優れた才能を持つ人もいる。障害者も社会の一員であり、うまく活用すれば大きな戦力になりうる。闇雲に、優秀な社員ばかりを集めてハッパを掛けてもうまくいかない場合もある。そのような企業に共通する点はチームワークの悪さであろう。障害者の雇用促進は法律で決められているからとか、社会貢献のためだとかの枠を超え、従業員のモチベーションを高めるなど企業自体に思わぬ良い循環を招く可能性のあることを指摘して置きたい。


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