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【2010.10】安全を先取りし製品に取り込む

今から12、3年前、中部地方で悲しい事故が発生した。夏の暑い午後、ママと一緒に3、4歳の女の子がスーパーに買い物に出かけた。親子は買い物を終え、駐車場に停めてある車まで戻った。ママは少しでも車内を冷やそうと思い、ドアを開けキーを差込みスターターを回した。その時、女の子は助手席の方へ回ろうとして丁度車の後ろを歩いていた。車のギアはバックに入れられていた。車はドーンと後ろへ動き、我が子を轢き殺してしまった。当時はマニュアル車を教習所では駐車時「バック」に入れて停めるようにとの指導が多かったと思う。指導通りの駐車での事故。エアコンを効かせたいとのささいな気持ちが悲しい結果を招いてしまった。現在、新車乗用車のほぼ98%はAT車であり、殆どのドライバーは駐車時にはPに入れるためこのようなことは起こらないが、当時日本で販売されていたマニュアル車はクラッチを踏まなくても始動する仕組みだった。クラッチを踏まない限り始動しない「クラッチスタートシステム」がマニュアル車に義務付けられるようになったのはこの事故の後、1999年7月以降販売の新車からであった。ただ、それ以前から日本より欧米へのマニュアル輸出車はこのシステムが装備されていた。欧米では義務付けられていたからである。

幼児の自動車による事故は後を絶たない。国民生活センターによればパワーウィンドーに挟まれて指を切断したり骨折するなどの事故が2005年以降23件発生している。パワーウィンドーの閉まる力は強く、人参や牛蒡を切断するほどでありセンターが国内外10社26車種を調べた結果、閉まる時に異物を挟むと自動的に反転する「挟み込み防止装置」を全席に装着しているのはわずか10車種だったという。センターでは幼児に操作させないようにとの注意を呼びかけてはいるが、防止装置のない車を親が運転するときは目を離さないようにしなくてはならない。

さて、1995年に施行された製造物責任法いわゆるPL法は、それまで被害者が不法行為としてメーカーの故意・過失を証明しなくてはならなかったものが、製造者の過失を立証することなく欠陥の証明責任だけで提訴できるものであった。PL法施行後15年が経過した。施行当時は米国並みに訴訟が増えるものとの観測もあったが、国民生活センターのまとめによれば、2009年9月末まででの訴訟件数は約120件と意外に少ない。これは訴訟に持ち込まないで解決する「裁判外紛争解決手続(ADR)」としてのPLセンターが医薬品、家電製品など様々な分野に設立されていることも大きい。しかし、米国と違い高額な「懲罰的制裁金」がないことによるためらい、また、日本人の特性も影響しているのではと見ている。

私たちの周囲にはまだまだ「危険を内蔵している製品」は多い。通常の使用であれば、また大人のみが使うのであれば問題ないものの、身体の不自由なユーザーや幼児が使うと危険になるものがある。最近取り上げられたのがライターである。東京消防庁によると、子供の火遊びによる火災の7割以上がライターによるもので、ライター火災で平成19年に3人、20年に2人が亡くなっている。今年4月にも北海道でワゴン車から出火し乳幼児4人、宮城県では2人の幼い姉妹が車火災で、また川崎では3歳の双子がマンション火災で相次いで亡くなっている。いずれも焼け跡からライターが見つかっている。このような事故を受け、ようやく日本でも子供が簡単に着火できない「チャイルドレジスタンス(CR)」機能つきのライターが販売されるようになった。法的規制はまだであるが大手メーカーはCR付のライターをコンビニなどで先行して販売することとなった。CR機能とは点火ボタンが重く力がいるため幼児での操作が出来ない、また、2つ以上の操作を同時に行わないと着火出来ないなどの仕組みであるが、日本のメーカーはいままでコストが嵩む、操作性が落ちる等の理由で躊躇ってきた。しかし、米国では1994年に規制され、EUでも2007年から義務化され、いずれも火災による死者の減少をもたらしている。この子供とライターであるが、そもそも子供の手の届くところに危険なものを置くこと自体論外であるといった意見もある。それはある面正しい。ライターに限らず薬のびん、湯の入ったポットなどもその類である。一方、PL法で規定する「通常有すべき安全性」の基準とは何かを今一度考えてみる必要性もあると筆者は思っている。この基準は時代の推移とともに変化するものである。思い出して頂きたい。今から20 30年前では石油ストーブに地震感知消火機能は付いていなかった。今では当たり前である。このように製品事態安全になってきているものは多い。また、消費者も当然、少しばかりコストが掛かるにしてもより安全性の高い製品を求めている。これからのものづくりには、国民生活センターや業界、また自社のコールセンターなどに寄せられた様々なクレームなどからの提案を受け入れ、より使いやすく安全な新製品に転換できるシステムをいち早く取り入れることが、係争を防ぐだけでなく広く消費者のマインドをつかむきっかけとなるものと信じている。

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