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【2010.02】非定常時こそ細心の注意が必要

先日、知人がトラブルに巻き込まれた。水漏れ事故である。知人は5階建てマンションの1階に住んでいる。漏水の元は3階の住人であった。当日、マンション屋上にある給水タンクの清掃作業が行われ、半日程度の断水となった。清掃業者から前もって内容、断水時間そして注意事項が書かれた案内書は配布されていた。そんな中、3階の住人は断水が始まる前に少しでも水を確保しようとしたらしく台所のシンク排水口に栓をし、水をためた。その後、清掃が始まり断水となった。問題は蛇口だった。当人は再度蛇口を確認したかったらしい。閉まっていた栓(レバーの上下式で下になっていた)を勘違いして上にしてしまった。当然、その時水は出なかった。そして、そのままにして外出した。清掃が終わり、給水が始まった。蛇口から出た水は床にあふれ、2階、1階を水浸しにしてしまった。仕事から帰ってきた知人は仰天であった。壁のクロスは無残な姿になり、床も水溜り状態。3階の住人は平謝りだったが、その後、補修のために4・5日ホテル住まいを余儀なくされた。この種の事故は多く発生している。何とか防ぐことは出来ないものか。清掃、工事業者も作業の前後に各戸の元栓を1つずつ開閉もしくは確認すれば良いのだが、そんな余計なことはしたくないのだろうか。いずれにしても水漏れ防止に一工夫が求められる。

事故、災害は所謂「非定常時」に起きていることが多い。「非定常時」とは通常と異なる作業を実行しなくてはならない場合のことである。トラブルになった、大至急の仕事が入った、予定していたスタッフが揃わなくなった、新しい機械を入れた、また自然災害等で仕事が遅れ、納期が厳しくなったなどである。このような状態は日常的に反復していなく所謂訓練不足であるがため、人は不安全な状態のままにして、もしくは急ぐために不安全行動をとることが多い。その結果として重大災害が発生する。ここで注意しなくてはならないことは「災害はちょっとしたミスが誘発する」という事実である。ともすれば小さな事故には「小さな要因」、大きな災害に「大きな要因」があるに違いないと思い込みやすいが、そのようなことはないのである。些細な要因でも大きな事故は起きる。

昨年9月9日に東京メトロ東西線東陽町駅で停車中の電車に保守用車両が衝突した。朝のラッシュ時を直撃したこの事故は大混乱を招いた。通勤・通学の足を奪われた乗客は駅に溢れ、バス・タクシー乗り場に長蛇の列を作った。幸い、人命にかかわることはなかったものの復旧までに長時間を費やしてしまった。この事故、そもそもの発端は東陽町駅から7つ都心寄りの九段下駅で起きた。午前3時前、九段下駅の引き込線にいた保守用車両は東陽町駅の先にある深川車両基地に戻る手はずになっていた。引き込線から本線に入るにはポイントを切り替えるがその手順はまずポイントの電源を切り、手動で切替、車両が本線に入ったのを確認してまた電源をいれるという社内規定があった。ところが現場責任者は保守用車両が本線に入る前に電源を入れてしまった。その結果、ポイントは元に戻り、脱線した。一方、落合駅付近で枕木の交換をしていた別の保守用車両は始発前に九段下駅の引き込線に戻る予定だった。作業中に脱線の知らせはなく予定通り3時40分に九段下駅に着いた。ところが脱線していることで引き込に入れないことをその時始めて知らされる。そして、10km先の深川車両基地へ向かうようにとの指示が出された。4時15分の始発前にすべての工事用車両は本線上から退出しなくてはならない。そのためには3時30分に九段下駅を出発する必要があった。あせった運転手は社内規定のスピードを超える速度で運転し、途中茅場町駅付近で一旦停車してポイントを切り替えて車両基地に向かうことを忘れそのまま進み、東陽町駅に停車していた車両に衝突したというのが真相であった。

さて、この事故の原因は何だったのでしょうか?第一の要因は九段下駅にいた現場責任者の規則違反です。ここで脱線という結果を招きましたが、まだ事故の序章でした。次の要因は追突させた運転手に「不安全行動」を行わせたことです。落合駅付近で作業中に脱線の事実が伝わっており、その時点で変更の指示が出ていれば運転手は余裕をもって深川車両基地へ向かっていたことでしょう(その条件として全線の保守車両作業を統括、コントロールする仕組みが不可欠)。また、たとえ時間的に切迫していたとしても現場責任者が保守用車両運転室内に入り、運転手への指示・他との連絡等を実施していればこの衝突事故は防げた筈です。

ミスこのように事故・災害はちょっとしたミスの積み重ねで起こることが多く、「非定常時」にはそのポテンシャルは高まりやすいのです。では、その対策として何をすれば良いのでしょうか。まず、「非定常時」と判断した場合、現場責任者の判断・指示を徹底させます。作業員の単独行動を出来るだけ制限し、たとえ単独で行うことを余儀なくされた場合でも随時、責任者と連絡を取り合い、作業指示が不明確になることを避けます。また、必要であれば所定の保護具も装着させます。このようなことが必要ですが、更には自社で起こりうる「非定常時」を幾つか想定し、その図上訓練を定期的に実施しておけば慌てずに落ち着いて対処することが出来ます。このような周到な準備が大事故を防ぐのです。

 1、2つのミスがトラブルを招くことは有り得ても、それが事故・災害にまでならないためにはリーダーの事故防止への強い思いと指導が不可欠であることは言う迄もないことです。


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