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【2009.10】五感を活用する

最近目にした記事に「認知症の予防・治療にアロマテラピー(芳香治療)が有効」とあった。アルツハイマーなどの認知症の治療薬は主として病気の進行を止める作用のものであり、服用による根治は難しく、また現在のところ予防法も確立されていない。記事によれば、鳥取大学医学部浦上教授は記憶を司る脳の海馬に異常が生じて物忘れがひどくなる前に嗅覚機能が低下することに着目。ラベンダーなどの芳香から抽出した精油の香りを一定期間毎日、認知症患者にかがせたところ症状が改善したとのことである。臭覚は記憶や感情をコントロールする海馬等に直接作用することが知られている。65歳以上の約1割が発症するといわれている認知症、アロマテラピーを活用した更なる研究が待たれる。

「臭い」ということで最近気がつくのは、世の中の無臭化が進んでいることである。体臭口臭を消す商品宣伝はメディアによく載るし、街を歩いても殆ど臭いを感じなくなっている。それは果たして良いことなのであろうか? そういえば、市街地での焚き火、焼却炉の使用禁止であの煙の臭い、また都会から草木の減少等で四季の移ろいも匂いからあまり感じなくなったのが現代である。今から40、50年前、筆者の記憶では認知症のご老人は近所にいなかった。日本全体でも社会問題化されていなかったから極めて少なかったと思われる。世の中の無臭化の進行も認知症患者増加に関係があるのではないだろうか?と思わず関係づけたくなってしまう。

人が外部から取り入れる情報の殆どは視覚からである。ある研究によれば情報を取り入れる五感の割合は視覚73%、聴覚21%、味覚2%、触覚3%、臭覚1%だそうだ。つまり、普段は眼からのインプットと聞くことによって多くは済んでいる。また、現代は視覚の占める割合は更に増えていると思う。なぜなら、ITの普及は仕事中モニター画面に一日中凝視することを強いり、通勤電車の中では携帯、DS等に見入り、また帰宅後もパソコンでのメールチェック、ブログの更新、TV等1日の殆どの時間画面を見ることで過ごしているからである。このような状況では必然的に、人の話しを良く聴くこと、味を嗜むこと、そして臭いに敏感になるという能力・機能は相対的に低下するのではないだろうか。それは取りも直さず異常な臭い、音、味に対する感性の退化を意味する。身近に危険が迫ってくる場合、その多くは前兆がある。例えば、今年の夏、異常な集中豪雨が続いた。山が崩れる前には異常音がする。その音に気がついた人はいち早く避難した。また、火災の初期には当然焦げた臭いがする。そのかすかな臭いに気がつけば初期消火、避難誘導ができるのである。一昔前にあったホテル火災では、従業員が臭いと煙を確認していたにも拘わらず事の重大性に気がつかないで初期消火、避難誘導のチャンスをみすみす逃している。

IT化の進行、視覚至上主義のもう一つの弊害を指摘しておこう。それは、物事を深く考えないで行動してしまうというものである。その最たるものがゲームである。「ゲーム脳」といわれるようにゲームに子供のときからのめりこみすぎると、見たことを何も考えないで咄嗟に行動に走る傾向が出やすい。

人の行動は、「認知」→「判断」→「操作」の繰り返しで進行する。この3つのステップの中で特に重要なのが「判断」である。ゲームはいかに早くボタンを操作するかという点がポイントである。求められるのは瞬間的操作だけで、「判断」が省略される。その結果、感情を抑えきれないで行動してしまうといった傾向が出やすい。災害防止の観点から言うとこのような環境下にいると「想像力」が育まれない。災害を未然に防ぐ有効な資質として、「こうすれば」→「こうなる」といった極めてシンプルな思考回路が求められている。不安全行動をとりやすい人の多くは、「想像力」にも問題があることが指摘されている。

また、行動の前に「なぜだろう?」といったステップも省略されやすい。一例をあげれば、私達の周囲にある電化製品、ITの製品はその仕組みを殆ど知らないまま使用している。たとえ疑問が生じても殆ど理屈がわからないのではないだろうか?そのような疑問をたとえ発したとしても一言「使えればいいのだ!」で終わってしまう。「なぜ携帯電話がわずか10秒もしないうちにどこにいるかもしれない相手に繋がるのか?」と考えたことがあるだろうか。多くの人は考えてもわからないから考えないというのが普通である。つまり、世の中、「分からないことだらけ、でも便利に使えればそれでよし」というのが主流だろう。

そのような結果というには短略的すぎるかもしれないが、近年問題となった「オレオレ詐欺」も、あまり深く物事を考えない風潮とリンクしていると思っている。

仕事でも、家庭でもやはりリスクを避けるには、「なぜだろう?」という発想・視点を常に持つことである。その結果として、異常の前触れに気がつくことが出来る。

「気がつく」には視覚だけでなく、人の話から、また匂いの変化等から取り入れる。

そのためにも、五感すべてをフルに研ぎ澄ませておくことが必要となるのである。

その到達への手段として五感の中、とくに匂いに興味を持ってみることをお勧めする。

自然の中の花の匂いにひと時浸る、また家庭でオフィスで、ハーブ・お香など気に入ったものを使ってみれば、やすらぎをもたらすだけでなく、リスクをかぎ分ける能力のアップに繋がるのではないだろうか。その副産物としては今までにない発想法が身に付き、そして良いアイデアも浮かぶものと信じている。


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