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新・横浜経済季評

【2015.12】最近のコンプライアンスを越える不祥事

不適切会計問題

T社の長期にわたる不適切会計問題は、第三者委員会の調査報告書が出たところで一応の収束を見たようであるが、利益至上主義と言われた企業体質の改革はこれからということである。さらにまだ未解決の問題は、上場企業としての少なくとも3代にわたる経営者が不適切会計を続けていたということから、証券取引等監視委員会が有価証券虚偽記載に当たると言うことで金融庁から課徴金の納付命令が出された。そして、東京証券取引所からは上場契約違約金の支払いが命じられたほか、特設注意市場銘柄となり不名誉な特設ポスト入りとなった。さらに今後、株主代表訴訟や内外の投資家から証券訴訟(株主損害賠償請求訴訟)を起こされる可能性が高いという。歴史ある名門のT社がどうしてこのようなことになったのだろうか。

株価を大きく毀損し民事訴訟の動きもあると言うことになるとその影響は計り知れない。リーマンショック前は7兆円もの売り上げがあったが、一時は5兆円台まで業績は落ち込んだ。先行き不透明な経営環境から脱出するめどが立たないまま利益至上主義のために見せかけの利益を計上したということである。販促費の計上見送り、損失計上の先送り、在庫の評価を適切にしない等毎年赤字を続けていたにもかかわらず、ごまかしながら利益を計上していた。最近の報道によると会社自身が設置した「役員責任調査委員会」は、旧経営陣の責任は明白だとして、歴代3社長を含む旧経営陣を相手に損害賠償請求訴訟を起こす見通しだと言う。

会社法上は、取締役は会社に与えた損害を賠償する責任があると言うことである。同社の株主は10億円の損害賠償を求める訴訟を起こすように会社側に請求している。

性能偽装事件

Tゴム工業の三次にわたる性能偽装事件は、耐震問題や防火用断熱パネルや防振に関わることなので、同社の製品を使っていた企業はいつ問題が起きるか神経をすり減らしているということである。最初は断熱パネルの耐火性能偽装ということだが、平成7年に偽装が発覚したということであるからもう20年も前のことである。断熱パネルは国土交通省の認定を不正に取得し、性能の劣る製品を出荷していたと言うことで、顧客の信頼を裏切ったということである。火災はめったに起きないし、仮に火災があってもパネルの断熱性能に問題があるとは気づかない場合が多い。火災の原因はパネルだけの問題ではないからである。

そして、つい今年の3月建築物の免震構造に使用されている免震ゴムが性能不足のまま100棟もの建築物に納めていたということである。これも、震度6くらいでは日本のビルは倒壊したりしないため、ばれないだろうと思ったかどうか分からないが、性能不足の免震ゴムを使っていたゼネコンやビルの施主は驚き、大きな地震の来ない事を願っているということのようである。

そして、つい先日の10月14日に3回目の偽装事件となった防振ゴムの性能偽装事件が発覚した。防振ゴムは船舶エンジン部品や鉄道車両部品、モータ部品など産業用の防振にかなり使用されている。過去2回は社長が引責退任し、免震ゴム事件では社長を含む全役員が退任した。その都度品質監査等で厳しくしている時期に、他の部署で相変わらず偽装を続けていたと言うから問題は深刻である。株価も暴落し免震ゴムの交換などで304億円という巨額の特別損失を計上するにいたった。原因は「技術者の倫理意識が欠如していた。コンプライアンスの枠組みは作ったが、魂が入っていなかった」と交代した社長は言っている。しかし、その時担当した技術者の問題にして幕引きしていいものだろうか。性能偽装問題はかなりの社員が知っており、内部告発で分かったようである。性能偽装会社というレッテルをはられ、メインの事業である自動車用タイヤは大丈夫かと心配されている。

マンション基礎工事データ改ざん事件

この問題は真相を目下調査中のため原因等は不明であるが、はっきりしていることは横浜市都筑区の大型マンションの杭の一部が強固な地盤(支持層)に届いておらず、建物が傾斜した問題である。マンションを購入した住民にとっては深刻な問題で、どのような決着を見せるか眼を離せない。

この業界はマンションの販売業者、建設業者、基礎工事業者、鉄筋工事業者、生コン業者、管工事業者、電気工事業者、内装業者、インテリア業者、塗装業者と、多岐にわたる関連業者がそれぞれの専門分野ごとに工事を請け負っているために複雑な問題を内包しているようである。今回も販売は一流のM不動産、そして工事はゼネコンのMS建設、基礎工事は大手一流企業のA化成の子会社というわけで、多くの顧客はそのブランド力に信頼を寄せて購入したようである。売り込みのパンフレットにも基礎工事の絵まで入って、安心施工を謳っていた。この建物だけでも473本の基礎が打ち込まれ、調べてみると地盤に確実に達していない杭が8本あり、そのほかの杭にもコンクリートの打設不足が45本もあると言うから完全な手抜き工事で許されない事である。この工事を担当した施工管理者に問題があり、この技術者が担当したビルやマンションは全国に41棟もあると言うことから騒ぎは全国に拡大している。

この工事を担当した大手企業は、全国で3,040棟もの工事をこの10年で担当したということである。工事が完了し引き渡しを受けると、特に見えない基礎の問題まで疑ってかかる人はほとんどいない。地中深く打ち込まれた基礎は、工事業者の信頼以外にないという状況である。それだけにデータを改ざんした技術者の罪は重いものがある。しかし、どうして専門業者がそして専門技術者がこのような事件を起こしたのかその遠因はまだつかめていない。これは氷山の一角で、この業者以外も偽装しているのではないかという業界全体に対する不信感や不安が広がっている。

コスト、納期、人手不足が遠因か

まず原因としてあげられるのが、経営者や技術者の倫理観ということである。ごまかしは必ず発覚する。一度ごまかすと二度三度と不正が積み重なると言うことである。T社の場合も強い経営者のもとでこのようなごまかしを続けてはまずいという止める人がいなかったのだろうか。結局、利益至上主義やコスト競争等が底辺にある原因であることは間違いない。株式至上主義では企業価値は株価の総額で決まるため、株価の下がることを経営者は一番恐れる。企業価値の尺度を変える時期に来ているのではないだろうか。安全安心を最優先にしなければならない企業はコストを無理に抑えたり、無理な納期に追われると言った仕事をしているからといって手抜きをするということは許されない。M不動産もTゴム工業も製造物責任法(T/L法)に触れるケースで、リコール問題ではないという専門家もいる。

結局非正規雇用が2,000万人を越える社会となり、技量不足の非正規社員が増えると正社員の負担が重くなり、慢性的な残業状態になると言う悪循環が始まっているように思う。人手不足は手不足ではなく技能工不足ということである。非正規雇用にばかり頼ってきた企業は一時的には低コストで、ものづくりが出来て収益を上げられたように思ったが、じわじわとものづくり能力の低下を招いていたことに気づかなければならない。そこに、倫理観だけを持ち込んでも何の解決にもならない。もう一度、人間を大事にする社会、人材が人財として大事にされる社会にすべきではないだろうか。

今回のこのようなコンプライアンス違反事件は、日本の企業の信頼感を大きく損ねる結果を招いた。T社は我が国を代表する企業である。その企業が3代にわたって決算書をごまかしていたということになると、他の企業は大丈夫かという不信感を持たれる。

また、工事や品質の偽装は日本の優れた品質管理に対する信頼を大きく損ねた事件と言える。

頑張る中小企業

中小企業と言っても従業員が400人もいるIN工業であるが、この企業の社是は「いい仕事をしよう」である。単純でわかりやすい。企業は誰のものかという答えに株主のものという答えがあったがこの経営者は、冗談じゃない、「企業は従業員のものだ」と言ってはばからない。この頃中小企業の方がいい経営が多いように思うがいかがでしょうか。

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