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新・横浜経済季評

【2015.09】就活に見る学生の動向と中小企業の人材確保

企業説明会は8月1日解禁というが

来年3月の卒業予定者から企業説明会は従来より3〜4カ月遅い8月ということになっている。この指針は経団連が出したもので、学生が落ち着いて勉強に専念できないという学校側の要請もあって遅らせたということである。しかし、経団連に入っていない企業はこのルールには縛られないし、ほとんどの中小企業は今年は人材の募集がし易いのではと言われている。しかし、面談をし内定を出しても、学生側は大企業の解禁を待っており、出来れば大企業に入社したいと思っているので、内定は2社からもらったが、まだ返事はしていないと言ったぜいたくな学生もいる。しかも、水面下では大企業は人事課だけが動いているわけではなく学生との接触の機会が多い社員に対して若手中堅を問わず、リクルータ辞令を出して、学生との接触は行われており、中には「8月1日に来ていただければ内々定を出す」という約束をしている企業もあると言う。

ある大手ゼネコンは大型物件工事現場の所長をその近隣大学建築科出身者にしている。その大学の建築科に対して工事現場見学会を実施し、ひそかにリクルート活動をしているということである。

就活実態あれこれ

●内定をもらっても、返事は8月まで待つ

この学生はすでに外資IT関連企業から5月に内定をもらっている。しかし、もう一つ大企業も狙っており、8月の解禁を待ってから決めようと思っているという。かなり優秀な学生で、1年間の米国への留学経験を持ち英語能力はTOEIC880を取っているということである。内定済みの外資企業も条件は決して悪くはないが、一応内定をもらったので、安全弁と考え日本の企業にも就活しているというわけである。

●バイリンガルな学生

この学生はタイ語、ラオス語がこなせるという。中学生時代に父親の仕事の関係でタイに滞在しタイ語をマスターしたということである。大学に来て2年生の時1年間休学して、ラオスの企業にインターンシップ研修に行き、英語のTOEIC770とタイ語の基礎を武器にラオス語を実践で鍛えマスターしたということである。そこでねらいは専門商社を希望し即戦力として海外勤務もいとわないという。そこで、タイにも工場を持っている上場企業にこんな学生がいると話したところ大変興味を持ち、是非8月に入ったら当社の面接に来てほしいということだ。しかし、本人はものづくり系のこの種の会社にはあまり興味はないと言って断ってきた。最近、就活の様子を聞いたらすでに2社から内定を得ているということだった。しかし8月まで待つということである。

●たくましい学生は狙いを絞って就活

1年間の休学はもう一人いた。この学生は、まず台湾に渡り、そこからはリュックサック一つでベトナム、カンボジア、ラオス、タイ、ミャンマー、マレーシア、シンガポール、インドネシア、バングラディッシュ、インド、パキスタン、イラン、トルコとアジアの各国を一年がかりでヒッチハイクを基本に途中アルバイトをしながら異文化体験をしたということである。話には聞いた事があるが一年間も台湾からトルコまでよく無事にヒッチハイク出来たものと驚く。数限りの難行苦行があったようであるが授業の合間に聞いた話で詳しい物語は聞いていない。そのうち日記のような旅行記でも発行されれば是非読んでみたいと思う。

そして、就活は社会インフラ整備関係の大手企業で国際的なプロジェクトを担っている企業を狙っており、まだ内定はもらっていないという。

●ねらいは中小専門企業

ある横浜市民女子学生の話である。TOEICは870というから一応の水準にある。そこで東京にある食品輸入の専門商社で業歴は30年、年商50億円、従業員数10人という文字通りの小規模企業を紹介した。ある食品を世界中から輸入し、卸を専門にしている。10人中社創業者の常務、通関事務職、内部経理事務そして6人の営業職で構成されている。営業は男子で世界中を飛び回る営業専門で輸入する品物の目利きのベテランである。ただし、平均年齢48歳で社長は76歳である。したがって若手の社員を入社させたいと言っていたことを聞いていたので、新卒を雇う気はないかと伺ってみた。これからは女子も大いに活躍する時代なので、是非面接したいということで面接してもらった。残業はほとんどない。というよりさせない。輸入商社なのでどうしてもということを考え全員にiPadを持たせて連絡はいつでもできるようにしているという。福利厚生施設は何もない代わりに手当てを厚くしている。健康診断だけは重要なのでがん検診を含め脳ドックなども会社負担で実施している。

女子だからと言って特別の扱いはしていないが、今いる女子社員は2人ともこの会社で結婚し、働きながら出産もし子育てもして勤続28年と26年になる。この女子学生は社長直々の面接に経営方針なども詳しく聞くことが出来、感激して帰ってきた。是非入社したいという希望であるが、会社の方は女子は営業には向かないと全員反対ということであるが社長はこれからは女子の活用を考える時代ではないかと、目下説得しているということである。

●なんたって横浜の企業でなければ

と言っている学生は女子学生であるが、横浜にこだわるのは、ベイスターズのファンで追っかけのように試合を見に出かけているという。とにかくベイスターズの試合が見に行ける距離にある企業でなければ入社しないというわけである。この学生は10年以上の業歴のある会社であれば業種にはこだわらず、ネットで検索した企業にエントリーシートをだし手当たり次第に面接を受けている。十数社は受けただろうか、とうとう1社から内定をもらったと喜んでいた。この企業はエネルギー関連で大企業とネットワークを組んでいる地域本社企業であるが、スタジアムの近くにあるので本人は大喜びというわけである。しかし入社する決断をしているかというと、就活は未だやるというわけである。

●もう働いているという学生

あまり授業の出席率の良くない学生がいる。就活で忙しいのかと聞いたら、もう働いているということである。東京のIT関連の会社であるが何人かの新人も同じようにアルバイトの形で働いているということである。このようなことでは学生の本分を逸脱しているので授業の単位をとれるがどうかは疑問である。

就活と中小企業の雇用対策

今年は景気が上向きのため学生にとって就活は有利な状況にある。一方、中小企業もこの際人材の確保に向けて活発な活動が展開されている。特に大企業の8月解禁と内定を出すのを遅らせることによって学業に専念出来るようにという配慮のためこの8月ルールに縛られない中小企業は有利だと言われている。しかし、実態は学生の側は早めの内定が得られても大企業狙いの学生は返事を先延ばしにして、内定後の就活は続いている。全く皮肉な状況でむしろ就活期間の日程長期化となって学業に対してはむしろ影響が以前より悪化している。ましてや、事例にあるように内定後アルバイトとして働かせるような悪質囲い込み企業も出ており問題だと思う。最も雇用する側が内定取り消しをやると学生側の社会人としての出発を狂わせるということで評判を落とすし、労働者保護の立場からは制限されている。一方学生が内定をいくつか確保して選択して断ってきても内定承諾書や誓約書に拘束力はなく、職業選択の自由があり内定後でも辞退は自由で問題はない。したがって雇用する企業の方が不利とも言え人材確保の難しさがある。

中小企業の雇用対策としては単に雇用情勢が有利不利という状況に流されるだけでなく、やはり中小企業ではなく専門企業として魅力ある企業になることが何と言っても重要ではないだろうか。

ウルトラCの名案はないと思う。

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