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新・横浜経済季評

【2015.06】グローバル化に挑戦する中小企業

減少の一途をたどる中小製造業

かつての日本経済は貿易立国、わけても輸出立国であった。しかし、1986年以降バブル経済のピーク時からはじまった海外進出は2000年までの15年間で70%以上が設立されると言う海外進出ブームが到来した。その要因は、急激な円高と生産コストの低減を図るためには工場を海外へ移転させるしか手がないという多くの企業の判断だった。その主体は電気機械、輸送機械ということになるが、その進出先はアジア地域が圧倒的に多く、なかでも中国への進出は急速であった。このような動きは大企業が中心であったが、親会社の海外移転に引きずられて中小企業も海外工場を持つという動きになっている。したがって、中小製造業の事業所数は減少する一方で歯止めはかからない状況である。減少の理由は倒産ということも考えられるが倒産件数はむしろ減ってきており、廃業が増加しているためということのようである。中小企業の数は現在385万社(平成12年2月現在の中小企業庁発表速報値)ということであるが、2009年に比べ35万社(△ 8.3 %)も減少している。さらに製造業に至っては1989年の878千社をピークに△37.3%の減少率となっており、ものづくり中小製造業の廃業は目を覆うばかりと言えよう。

「不確実」なリスクを「確実」なものに

生き残る道はグローバル化への対応とばかり、海外工場を持つ企業は増加する一方であったが、ここへきて円安傾向が定着したかに見えるようになる一方、海外事業からの撤退または撤退検討企業が40%(帝国データバンク14年10月発表)にもなると言う驚きの数値となっている。その理由は「資金回収が困難」「現地従業員の処遇」「法制度・会計制度・行政手続き」そして「為替レート」となっている。経営者が海外進出に踏み切るのは、現状のままでいることのリスクが海外進出のリスクよりも大きい、ということから決断しているということである。しかし、国内のビジネスのリスクはかなり読めるとしても、海外進出のリスクは「不確実」で読めないのに、政府の支援や自治体の支援、仲間の企業の動向、取引先の動向などから、不確実なものも、確実なものと漠然と思ってしまい海外進出を決断しているということのようである。
 もちろん、不確実なモノを確実にするためにFS調査などや、海外事情に詳しい専門家のアドバイスや場合によっては地方自治体でも海外事務所を持っているところや日本貿易振興機構(JETRO)などからの支援を得て進出するケースでは失敗は少ないという。資金回収の問題や従業員の処遇や法制度や行政手続きなどが原因で撤退を検討している企業もあると言うことは、事前の調査やアドバイスを十分に聞いていないからではないだろうか。
 以前にもこの誌面でベンチャー企業の海外進出失敗例を紹介したが、取引先の紹介コンサルタント、友人、知人などのアドバイスはダメということではないが、中にはブローカーのような海外ビジネスに詳しい人がいて、進出する場所も合弁相手も人集めもとにかく専門家に任せろ、ということから任せたら見事に失敗したというケースや、中にはだまされた事例などもあるだけに難しい。

クローバル化は避けて通れない

しかし、グローバル化の進展は急速で、中国だけが海外ではない。今や、インドネシア、インドを通り越して、ミャンマー、ベトナム、ラオスと言ったところもアジアでは注目されている。ではどのような発想で海外移転を考えたらいいのであろうか。いくつかのケースで見てみよう。

市場のあるところに工場を作る

A社は半導体の重要な構成部品のデバイスを作っている。業歴は長く戦後間もなく企業を立ち上げたので、創業当初はデバイスなどとは全く違った仕事をしていた。しかし、材料に共通点があったので成長市場を見越して地方工場で生産を開始した。現在本社を別にすると国内3か所で生産をしている。秘密事項の技術が多いため3工場とも顧客は別々で仕事をしている。
 そうすれば秘密は守れるし採算性の計算も単純でやりやすい。そうしているうち、海外からも注文が入るようになった。しかし常に為替リスクに振り回された。そこで、顧客のいる国に海外工場を設立することになった。すべて自前の工場である。その結果、次々と海外工場を作ることになり現在ではアジア、欧州、アメリカの8カ国で生産をしている。日本の工場から輸出はしない。海外工場から輸入はしないという鉄則で今日まで来ているので為替リスクは全く考えられないという。この企業の発想は人件費の安い国に工場を作るという良くありがちな発想は全くしなかったということである。

狙いはあらゆる車の部品工場

B工場は自動車部品工場である。足回り部品を生産している。創業当初は下請け工場であったが、親会社の方針で厳しい見積もり合わせが行われ、必ず受注できるとは限らないということになった。逆に親会社以外からも受注出来ると言うことになり今では全メーカーから注文が入るようになった。しかし自動車メーカーの海外生産が強化されるのに合わせてB工場も中国に進出し、今では日本の工場をはるかにしのぐ規模、売り上げとなっている。進出して20年間いろいろなトラブルにも巻き込まれたが、中国で生産されている各国の車にアプローチし受注が拡大、現在は安定した生産を続けている。そこで、次のプロジェクトとして欧州車に対応するために欧州にも会社を設立し軌道に乗せると、インドネシアにも工場を建設し操業が開始された。そして、さらにインドにも工場を作り生産を開始したところである。
 中国工場以外は大きな工場ではないが、それぞれの国の生産車に供給するのが目的で稼動し始めている。一つ成功するとその経験が役立ち国が違っても次のプロジェクトも成功すると言った具合で、この工場も為替リスクは全くない。中小工場は人材不足で言葉の壁を乗り越えているわけではないが、壁が取れたら進出しようでは間に合わないので、習うより慣れろとばかり、技術の分かる人材が派遣され悪戦苦闘しながらも成功させている。このケースも輸出輸入ということではなく、取引先のある国に工場を立地させるということを主眼に海外進出しており、コスト競争力はそれぞれの国において国情に合わせた戦略を取って成功している。

メンテナンスの技術力で勝負

電子計測器や医療機器、FAマシン制御機器等のメンテナンスを行うC社は日本の企業の海外進出に合わせ顧客の要望が強いことから海外2か所に進出している。メンテナンスは技術力が勝負の仕事であり人材がいなければ対応できないが、マルチベンダー企業として、新しい機械のメンテナンスの仕事を見つけるとメーカーのメンテナンスバックアップは7年が普通ということから、海外も含め技術研修にメーカーに派遣技術を習得させる。そして、7年間はメーカーの指定メンテナンス企業として仕事をこなし、7年経つとメーカーの部品の供給もなくなるためにメーカーバックアップの切れた機器のメンテナンスを行ってきた。手に入らない部品は中古市場の企業と提携し部品のサルベージを行って点検し、新品同様の性能を保持しているものを採用して中古機器の再生を行ったり、電子回路は作り直すなど信頼性の高い仕事で成長している。最近は顧客からメンテナンスしてほしいという要求が多く、国内ともども不況知らずという状況にある。
 2〜3の事例を見てきたが、海外進出に際し資金回収の問題や従業員の問題、法制度の問題などは海外進出する際の初歩で、何故グローバル化なのかというコンセプトメークが出来ていることの重要性に気づかされる。

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