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新・横浜経済季評

【2014.12】“いい会社”になろう

「いい会社をつくりましよう!」という社是の会社がある。この会社は、会社は誰のものかといった議論が華やかな時に、会社は株主のものだという不安定な株価で会社の価値を評価する話がはびこっているときに、この経営者は「会社は従業員のものだ!」と言ってはばからなかった。
 現在でも、上場するなり高い株価の影響で1兆円を越える企業価値だと言って騒いでいる株主がいる。中身が本当に価値のあるいい会社なのかが問題なのだが、話題性のある会社は人気投票をしているようなもので、株価がいい会社の指標のようになっている。
 いい会社になろうという社是は誰にも分かりやすく反対する人はいない。いい会社にするためにはどうすればいいのか。経営者も従業員も皆んな一致団結して努力していい会社にしよう、という社是の基に48期連続増収増益を続けている企業がある。長野県伊那地方で寒天製造でグローバルニッチトップの伊那食品工業である。
 この会社は従業員が480人、年商180億円だからもはや中小企業ではないが資本金が9,800万円なので中小企業ということになる。
 この会社のことはホームページでも詳しく書いてあるし本にもなっているから一度読んでいただきたい。

■いい会社の条件

いい会社とはどのような会社であろうか。大企業か中小企業か関係なしに検討すると次のチャートのようになるのではないだろうか。

■Property(商品力)

これはその企業が提供している商品やサービスの品質、価格、サービス、そしてCS(顧客満足度)といったお客さまに提供しているものの狭い意味での満足度と言ってよい。提供しているものの物理的な価値、さらには、CSといった顧客対応なども評価の対象である。商品力が弱い、すなわち、品質が劣る、価格が高い、といったことでは製造業は成り立たないし、安物ばかりで品質が悪い、品ぞろえが不十分といったことでは小売店は成り立たない。さらに、社員や店員の応対や苦情に対する反応などが悪いと、これからの経営は難しいと言わねばならない。

競争社会の中でビジネスをしている以上、商品力で劣る企業は成り立たないし、企業が存立している最低の基礎的条件が商品力と言える。

これは物理的条件であるから、際限なく品質を引き上げることは可能であるが、同時に生産性の裏づけがなければ会社は破綻してしまう。サービスやCSのレベルを引き上げることは可能であるがブラック企業では難しい。したがって、次のUtilityの要素が重要になる。

■Utility(企業力)

商品力を支えているのが企業力で、いい企業の条件はこの要素で決まると言ってよい。直訳すると効用ということになるが、いい商品はやはりいい企業から生まれていることは間違いないことで商品力のために役に立っている企業力ということになる。

第一に、企業の理念や方針が明確かということである。今年度の方針、3年後の目標、10年後どのような会社になっているのか、そのために「この旗のもとに集まれ」と言った旗印が必要である

第二に、生きがいや仕事のし甲斐、仕事が面白いといった要素である。人間は生きがいを見つけたくて、やりがいを見つけたくて仕事をしていると言ってよい。仕事のやりがいはその仕事が単純か複雑か易しいか、難しいかどうかではなく、仕事の与え方任せ方で決まると言ってよい。

第三に、企業の財務力。明日をも分からない企業ではその歪みがあちこちに出てきて、投資も出来ない、必要な経費も払えないでは、いい企業とは言えない。

第四に、人財力ということになる。企業は人なりという。人財の豊富な企業ほど何をやるのも都合がいい。わが社は、即戦力を希望しているなどとうそぶいている企業は決していい企業とは言えない。
 変化の大きい時代は新人の養成などしている暇はないということかもしれないが、結果は非正規雇用の集団になり会社の財産であるはずの人財は全く育っていない企業になってしまう

第五に、営業力である。生産財だろうが消費財だろうがサービス財だろうが作れば売れるわけではない。お客さまが疑問に思う、満足する説明が出来て初めて納得して購買してもらえる。最近あるファミリーレストランは、ドリンクサービスを廃止し始めているという。店員がお客様の顔も見ずマニュアルにのっとって仕事をしているだけでは、サービス業ではないと気づき始めたというわけである。気配りをしながら店内を動き回り、もう一杯、もう一品のサービスを心をこめて行うことによって、客単価は上がり売り上げは上昇に転じ、赤字店は黒字転換しているということである。

第六が、雇用政策である。労働者派遣法の改正が検討されているが、改悪だという反発が強くどうなるか分からない。雇用政策には就業条件と就業環境があり、就業条件では労働者派遣法の改正ではなく、廃止をしなければ日本は経済も教育も社会福祉も破綻の道をたどる心配がある。
 雇用労働者の38%、2,000万人が非正規雇用ということであるが、年収200万円から300万円では結婚はできないし、家庭は持てないし、年金の掛け金は払えないので老後は孤立無援の無年金者となり生活保護を受けるしかない。
 20代のうちこのような人生設計が分かってしまうことは決して良くない。勤労者の平均年収537万円の半分を下回る世帯で暮らす18歳未満の子供の割合は2012年データで16.3%(厚労省調査)と過去最悪を更新したという。OECD加盟国の平均が13.3%で我が国の貧困率は悪化するばかりである。したがって二極化傾向が顕著で、給料が増えた一部の勤労者には高額商品が売れているということであるが、低所得家庭の子供は休日朝食は抜くと言う子供が一般世帯の1.6倍にもなるということである。生きている実感がわかない、絶望的であるという。そこへきて、政府や一部の自治体は観光収入を見込むということからカジノ資本主義にのめり込もうとしている
 日本人は使えないか所得制限をするらしいが、日本の観光にはカジノなどを期待している観光客は少ない。日本にはカジノがないから魅力的だと言う外国人観光客が多いという。今こそ、企業側から非正規雇用で安くものづくりをするのではなく、人間を大事にする経営、人本主義とでもいうべき人間こそ財産であるという経営、そのための発展途上国との棲み分けを行う経営に脱皮する必要がある。不安定より安定した雇用を望むのは当然のことである。

■Fashion(イメージ)

直訳すると流行ということになるが、ここでは「演出」と理解し、企業であるから「イメージ」ということになる。以前“ファッション化社会”という本が出版されありとあらゆるものがファション化の対象になる、ということで話題をまいた事があるが企業自身もまた然りである。しかし最近はファッションの要素がより強く働き、イメージがより重要視されるようになった。すなわち、イメージといった証拠不十分なまま品質の良さを主張している時代になり、ブランドイメージなどは先の2つの要素を上回り勢いを持っている。

それは「社風」と言われるものを第一に取り上げられる。社風を決定づけているものは歴史であり、トップの言動そのものから出てくる会社全体に行き渡っているものといえよう。したがって、法律に触れるようなことはしない品性のいい会社ということになる。企業市民としても地域から愛され地域社会の構成員として役割分担をしている企業である。ましてや、CSRも最近では広範に解釈されるようになり、セクハラ、パワハラ、マタハラ、男女平等、受動喫煙といったことに対しても企業は責任を負っているということである。

いい会社の概念を列挙したがその意味するところは広範であり儲けを出して税金を納めれば、あとはブラックボックスというわけにはいかない。いい会社であることを積極的にディスククローズして、ステークホルダーに理解してもらう努力をしなければならないと思う。

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