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新・横浜経済季評

【2014.06】グローバルニッチトップ企業とは

経済産業省は海外市場のニッチ分野で高いシェアを持つ企業を顕彰する「グローバルニッチトップ企業100選」を選定し3月7日発表した。選定は今回が初めてで、機械・加工、素材・化学、電気・電子、消費財・その他の4部門で100社選定したが、大企業6社、中堅企業25社、中小企業69社であった。選定は公募で候補企業を募り外部有識者による選定評価委員会における評価審議によって決定された。評価のポイントは
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 高いシェアである以上高収益である
 F帆論と自立性に優れている
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といった内容であった。経産省は昨年6月に決定された日本再興戦略の基づき今回認定された企業を公表し、グローバル市場に挑戦する企業の羅針盤にしてほしいと言っており、今後認定するだけでなく支援策も検討すると言っている。

特に認定と同時に商工中金は「グローバルニッチトップ支援貸し付け制度」を5億円を限度にこの4月よりスタートさせている。今回の選定は機械、素材、電気といった基板技術分野が中心だったせいか、選定された企業は100社中69社が中小企業で、我が国の大企業がサポーティングインダストリーに支えられている姿を現している。それでは、認定された事例の一端を見てみよう。

■事例その1  産業廃棄古紙を再利用して、海外にも進出

(株)環境経営総合研究所(渋谷)は名前からは環境経営を推進するコンサルタント会社と想像される。しかし同社は立派なリサイクル事業を行うメーカーである。元々社長の松下啓通氏は大手の金融機関に勤めていた。新規事業開発の企業有志があり良く検討した結果、新技術には特許も取得しており産業古紙のリサイクル事業ということから融資を行った。しかし事業はうまくいかずに倒産してしまい大きな損失を被ることになった。松下氏は責任を取って退職し、何故目利き違いを行ったのかを検証した。事務屋として金融工学などは勉強したことがあっても、古紙をパウダー化して射出成型する技術は全く分からなかった。そこで、思い切って成型加工を行っている工場に入社し、一から樹脂の勉強、成型加工の勉強、金型の勉強を行ったという。この時の経験が「ベンチャー企業は、まず人任せにせず自分でやってみることが重要です」という発想になっている。そして平成10年に独立し、倒産した会社から特許も買い取って事業を始めることになったが、特許技術では飯が食えず環境に関するコンサルタント業のようなことをやりながら、事業化の準備には5年の歳月を要した。産業古紙は何がいいか。どこから入手するか。といったことから、30種以上の古紙を国の研究機関に依頼して調べた結果、完全に安心な古紙は紙コップを製造した時に出るスクラップであった。そのスクラップ古紙をパウダー化し、工業用でんぷんと若干の合成樹脂を混ぜてペレット化し発泡させながら押し出し成型機で成型したものが発泡食品トレーということになる。さらに、重量比51%以上の紙パウダーとポリオレフィン系樹脂を混錬してペレット化したもの等により日常生活用品に成型加工するなどその用途はかなり広い。さらに、紙コップ用の産業古紙は高品質で食品等口にするものなどに活用されるが古紙で品質に若干問題があって食品等に使えないものの場合は、押し出し成型して建築用断熱材に使用するなどの活用をしている。これらの技術を米国の展示会に出店したところ大手化学メーカーの目にとまり1年ほど古紙パウダーを輸出していたが米国でも古紙パウダーを生産することになりミシガン州に合弁で工場を建設しすでに3年目に入っているが順調に稼働している。したがって年商は150億円、従業員数200名となり海外拠点も韓国工場が近く稼働する事になっており、カナダ、ブラジル等も計画されている

■事例その2  RFID使用スポーツタイム計測システムで世界を席巻

マラソンのタイム計測はかつては手動によるストップウオッチ時代が長く続き、次いで、バーコードを利用する方式なども使われていたが、数年前までは、シューズの甲に取り付けるオランダのチャンピオンチップ社方式が主流となり世界を席巻していた。この方式はパッシブ方式と言われタイム計測のラインから電波をだし靴の甲にとりつけられたタグに反応してタイムを計測するものである。しかしこの方式に疑問を持ったのが、マイクロ・トーク・システムズ社の橋本社長であった。同社はRFID(無線自動識別タグ)を活用した鍵穴にキーを差し込まないキーシステムなどを開発していたが、タイム計測の従来の方式は重大な欠点を持っていると気づいていた。そこで調査を進めてみると、本来のタイム計測はトルソー(胸部)で計測ラインを切るときに計測するものであり、チャンピオンチップ方式は、右足に付けるか左足に付けるかでタイムが違うのではないかと思っていた。そこで、さらに調査を進めるとタイム計測は5卉碓未任△蠅修離如璽燭鬟灰鵐團紂璽燭貌力して個人別のデータとしてデータベース化がされていることが分かった。したがって、従来のものは5劼瓦箸謀吐箸鯣信するものを設置する必要があり機材が大きく、行政の道路管理者や警察からも、出来るだけ早く設置し出来るだけ早く撤収する事が要請されていた。そこで、RFIDはアクティブタイプとして大きさを44弌28个箸轡螢船紂璽爛ぅン電池を内蔵させて充電すれば何回でも使用できるようにしプラスチックのケースに封入し重さを9gと軽くしゼッケンの裏側に取り付けて胸から電波を出して路面に設置されたラインで電波をキャッチしてタイムを計測するシステムとした。登録したランナーは主催者からゼッケンの貸し出しを受け、ゴールした時に返却しタイムが確定するようにした。この方式では左右の足の違いによるタイムの誤差はなくなった。丁度開発に成功しテスト使用していたころニューヨークマラソンでは0.3秒違いで1位と2位の取り違い事件が発生して問題になったが、左右の足の違いが計測ミスの原因ということになり日本方式が脚光を浴びることとなった。現在では国内マラソンの80%がトルソーシステム方式となりヨーロッパもチャンピオンチップ社はシェアを落とし始め目下世界20ヵ国のタイム計測会社と契約し世界中で使用されている。水に強いということもあり世界トライスアロン協会ではトルソーシステム方式が公式記録の方式に指定されている。

事例から学ぶニッチトップになるには

2つのケースから、グローバルニッチトップになる原則をまとめてみよう。
第1、特許を重視しすでに複数の特許を取得し知財によって参入障壁を作っている。
第2、リサイクルにしても、タイム計測にしても結局は正しい方式であればシェアはとれる。
第3、全く今までには無かったシステムで市場に参入している。
第4、内需で市場を取ってから海外に出ているが、いずれの場合も交渉する相手は大手化学メーカーだったり、タイム計測を本業とする企業であったり老舗企業であるが、取引は全く平等であった。ということはオンリーワンの魅力的な商品は高く評価されたと言ってよい。
第5、経営者の情熱と冷静な計算は見逃すことが出来ない。開発の先頭に立つことはもちろん、市場展開も自ら歩きまわり、着実にものにしていった努力は見逃せない。

さて、皆さんもグローバルニッチトップを目指してみませんか。

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