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新・横浜経済季評

【2013.09】困難に挑戦するのが経営者の使命

経営に困難はつきものである。自由主義経体制下では競争はあたりまえだし、高度経済成長時代でも、倒産も失業も常にあった。ただ、成長を続けている時代は作れば売れると言うことで、積極型経営で元気な経営者が多かったことは事実であろう。

しかし、バブル経済の崩壊で失われた10年が、15年、20年とマイナス成長のままに続き、ようやく浮上しかけたときに、リーマンショック、そして、東日本大震災、円高と日本経済は大きなダメージを受け、ようやくアベノミクスで今度こそはと経済の再生成長に大きな期待を寄せている。

しかし、経済もまた想定外の事が常に起こる時代で、ヨーロッパはもう安全なのか、アメリカ経済の回復は本物なのか、世界経済の牽引車と言われた中国経済成長の鈍化や先進経済圏の仲間入りをするための各種の法整備などが党や人による管理から法による管理に移行しようとしているかに見える状況の中で不安定要素となるなど、グローバル化した経済は何が起きるか分からない状況になっている。しかし、経営は手をこまねいているわけにはいかないわけで、常に見通しが不透明の状況であっても一歩踏み出し競争に打ち勝つ必要がある。

そこで、今経営に与えられている困難な課題を検討し、どのように挑戦すべきかを考えてみたい。

成長戦略分野への挑戦

アベノミクスの3本目の矢、すなわち「成長戦略」は6月に発表された。この矢の飛ぶ方向はグリーン分野(再生可能エネルギーや環境対応分野)、ライフ分野(医薬品・医療機器、介護分野)、アグリ分野(農林水産分野)、そして、メンテナンス分野(社会インフラ分野、安全安心分野)の4分野ということである。このようなターゲットは前政権でも日本再生戦略として発表されており大差はなく異論のないところである。要するに途上国との棲み分けが出来て日本の得意分野で内外に大きな需要が見込める分野と言えよう。このような方向性はかなり前から言われており、今更政府から言われるまでもなく、賢明な経営者は理解している分野と言えよう。問題はこれらの成長分野に挑戦する環境がどれだけ整備されているかということである。その第1は規制緩和であり、第2に制度改革であり、第3は抵抗勢力の排除ということになる。民間が自由闊達にビジネスが出来る環境さえ整えば、黙っていても民間は新しいことに挑戦することは間違いない。

価格競争力から非価格競争力へのシフト

途上国との競争は、明らかに価格競争であった。日本は1992年、すなわち20年前に時間当たり労働コストが米ドル建てで米国の16.17ドルに対して日本の16.16ドルと米国に追いつき肩を並べた。それから、じわじわと価格競争に巻き込まれ、日本は改善の強化、自動化等を図ることによって競争力を維持し、国際的な競争に打ち勝ってきた。そして、ついに労働コスト引き下げの限界に至り、労働者派遣法によって非正規労働者の雇用を認めるに至り、25年2月には非正規労働者比率は35.2%で労働者の1,500万人が非正規となった。雇用労働者の1/3強が非正規となったのである。しかし、この安い労働力でも家庭電器を中心とするアッセンブリー産業は収益が回復できず、TVセットメーカーによっては9年間も赤字を続けるという状況となり、軒並み1万人規模のリストラという事態となった。そしてさらに非正規雇用比率は悪化し25年6月には38.2%となり2,000万人もの巨大な塊が非正規雇用労働者と悪化している。すなわち価格競争力で勝負するために労働力を非正規化し人間を材料のごとく使用しても生き残れないことを証明している。この間。優秀なベテラン技術者は海外に流出し、素人集団がモノづくりに携わるということで技術の集積は疎かになり、非正規雇用化は悪循環を始めているといえよう。すなわち、途上国との価格競争に終止符を打つには非価格競争で勝負する正規雇用者による棲み分け技術、棲み分け事業で付加価値の高い分野、時代の要請にこたえる産業分野にシフトすることが日本の生きる道ではないかと思う。

エネルギー問題への対応

エネルギー問題は議論が百出している。福島の解決なくして原発の再稼働はあり得ない。電力会社を含む原発専門家といわれる集団の安全確保や廃炉技術などは信用できない。核廃棄物の処理も見通しが立たないまま再稼働させることはありえない。広島市長の平和宣言では「核と人類は共存できない」といった考えなど、自然エネルギーに転換することを主張する考え方がある一方、一見電力が足りているように見えるのは電力各社は休止していた火力発電所を再稼働させているためであり、国際的にみて高い日本の電力はさらに高くなり産業の国際競争力はさらに厳しくなる。

CO2対策に貢献していた原発の稼働を認めないと我が国のCO2削減国際公約は果たせない。第3者の原子力規制委員会が新たに提示した安全基準に合致し、規制委員会の審査にパスした発電所は再稼働を認めるべきだ、といった議論が目下延々となされている状況である。結論がどうなるかは不透明であるが、電力を必要とする企業は自営手段を講ずるべきではないだろうか。電力は分散発電、自然エネルギーの活用、自由化、スマート化の方向にあり、自らの電力は自ら確保する計画を持つ時代になった。停電事故や計画停電などに対する危機管理もこれからの企業経営の条件として考慮することと、ピークカット対策、省エネ対策なども今まで以上に真剣に取り組む必要がある。

非正規雇用からの離脱と中高年、女子労働力の活用

少子化が進む中で生産年齢人口(15歳〜64歳)は1995年をピークに年々減少し続けている。にもかかわらず、15歳から24歳の年齢層の50%近くが非正規雇用者になっているという我が国の雇用状況は深刻とも言える状況にある。さらに、アベノミクスでは女子力の戦力化、社会貢献を重要な柱として強調しているが、M字カーブと言われる30歳から40歳までの層に働いている女子が減少するといういわゆる結婚によって退職する、いや、退職せざるをえない働きにくい社会という課題を抱えている。まさに、保育園不足による待機児童問題や、出産や子育てに対する企業側の理解不足などが問題としてかなり以前から指摘されている。大企業の事例ではあるが、N社は管理職の20%が女子で本社の中には社内に保育園があり女子社員は戦力化しているということである。女子は重要な顧客であり商品開発にも女子力を生かしているということである。政府の方針に対して無理しているわけでなく、女子のパワーは生かし活用する経営方針によるものということである。

一方、中高年者の活用も大きな課題を抱えている。定年を65歳にシフトすることを要請されているが、中高年はお荷物という考えの企業が多く、特に大企業ほど定年と同時に労働市場に放り出す傾向が強い。気力体力十分な中高年が多いだけに、活用し戦力化する方法を工夫したいものである

「困難は避けるものではない、解決するものだ」

この言葉は、日産自動車のCEOカルロス・ゴーン社長の言葉である。

困難な課題は目白押しである。まるで、禅問答でもしているように迫ってくる。しかし、困難に直面した時逃げるのではなく困難に挑戦し解決するために経営者は存在するということである。ゴーン社長は“避けるな、解決せよ!”と迫っているように思う。どこかの政治のように、困難な課題への対策は決められない、困難な課題ほど解決を先送りする、ということでは厳しい企業間競争に打ち勝つことは不可能と言えよう。今年のはやり言葉ではないが、「いつやるか、今でしょう!」ということである。

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