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新・横浜経済季評

【2013.06】日本経済を再生させる処方箋

最近の日本経済はアベノミクスのお陰で明るさを取り戻している。アベノミクスは「金融政策」「財政政策」「成長戦略」の三本の矢で、長引いているデフレ経済から脱却し閉塞感の強い経営環境を劇的に改善し日本経済を再生しようとしている。この政策は多くの国民の支持を受け、円安、株価の高騰という形で金融経済に即、いい反応が出ている。

有効な処方箋となるかアベノミクス

●日銀の国債購入を中心とする量的質的金融緩和は月7兆円の国債購入、国債保有残存期間を平均7年に引き上げる(2年間で2倍以上)上場投資信託(ETF)などのリスク資産の買い入れなども大きく増加させることにより、長期金利を過去最低にする事とコールレート(金融機関の翌日無担保取引)を低利安定させ物価を2年後には2%程度に弱インフレ安定物価にするという今までにない政策を実行し始めている。

●一方、財政政策の方は3月に大型補正を行い新年度予算と一体となった「15ヶ月予算」と言っている。92・6兆円の本年度予算案と合わせると100兆円を超す大型のものとなっている。しかし、税収は50%を割る状態にあるため年金特例公債を合わせた公債費、いわゆる借金は55兆円を上回る予定で借金体質からの脱出は難しくなっている。しかし、国債の購入はほとんどが日本人自身が持っており1、500兆円もの個人資産背景を考えると、ギリシャやイタリアのように外国に依存している国と違って、国債がデフォルトする心配はないということから問題はないといわれている。しかし、国と地方を合わせた借金はGDP比2倍以上でしかもその割合が伸び続けている日本に対しては、G20でも借金体質からの改善を指摘されており改善の努力は避けて通れない状況といえよう。そのためにも景気が回復して税収も増える経済構造にする必要があるというわけである。

●三本の矢のもう1つは、成長戦略という矢であるが、金融と財政が経済を支えている間に、産業界は成長戦略市場にシフト、コミットしてほしいというわけである。政府の施策をみると成長戦略市場の重点分野を、医療・健康分野、エネルギー分野、次世代インフラ分野、農林水産・観光分野としている。加えて、成長戦略の中に、ニッポン再興のために、立地競争力の強化と雇用と所得の拡大をあげさらに、国際展開戦略も成長戦略のイメージとして取り上げられているので、少し焦点がぼけたように思う。具体的な戦略は6月に策定するということなので、どのようなプランが提起されるか期待したいと思う。結局、日本は何で飯を食う国になるのか、途上国の追い上げに対して、どのような棲み分けでかわすのか、次世代に向かって挑戦すべきテーマは何なのか、を早急にデザインし日本経済の形を変える努力を官民が一緒になって取り組む必要が今こそ高まっているときはないといえよう。

三本目の矢を真に強いものにするのは規制緩和、制度改革、抵抗勢力問題

アベノミクスは三本の矢で強力な矢にしようとしているが三本目の成長戦略の矢はまだ具体的な準備はされていない。しかし、この矢だけは「規制緩和」「制度改革」「抵抗勢力問題」という課題解決で補強しないと矢は折れてしまう危険がある。政府の「産業競争力会議」でも成長戦略分野を効果的にするには、規制緩和を求める声が多く出されたということである。「省庁の壁や既得権益にまで切り込む決意を確認したい」という、政府が真に日本経済を成長分野に案内できるのかどうか、覚悟のほどを問う厳しい発言が民間経営者から出されたという。

最近話題の待機児童解消の問題にしても大都市ほど深刻な状況となっているが、男女共同参画社会を実現するためにも非正規雇用率が35%と上昇する一方で手取給与が減少している状況の解決のためにも、また、女性労働力率のM字カーブ(日本は結婚後仕事を離れる人が多く30代の労働力率が下がる)の改善にとっても待機児童問題は重要である。

横浜市の待機児童数ワーストワンは劇的に解消

働きたい小さな子供を抱えた母親にとっては、受け入れてくれる保育園があることは何よりの朗報となる。横浜市は最大の待機児童がいる都市であったがこの3年でほぼ解消するという劇的な改善を行った。政府も他の自治体もどんな魔法の手を使ったのかと不思議がったという。魔法の手は補助基準の厳しい社会福祉法人の認可保育園でなければ預かる事は出来ないというルールに風穴をあけ、民間参入を認め規準に合う株式会社保育園でも横浜市待機児童解消促進事業補助金を出すことにしたことが1、500人以上もいた待機児童を3年間で平成24年にはほぼゼロとなったわけである。ほぼ、というのは横浜市は保育園に入りやすい都市というイメージが定着したため新規転入があるためである。横浜市のシステムが評価されているのは第一には課題解決に取り組むスピード、そして、各区役所に「保育コンシェルジュ」を配置し、母親の立場に立った相談アドバイスを行うとともに、保育園の求人情報を各保育園別に募集人員、勤務時間、賃金や手当の条件などの情報をホームページで公開し、保育園をバックアップしていることも高く評価されている。しかし、高い評価で他都市にも水平展開しつつある半面、保育園を経営している社会福祉法人の全国組織が民間参入に猛烈な反対運動を展開しており株式会社は利益を追求するので保育の質の面に問題があると言っている。保育園社会福祉法人に世話になり補助をしている政府や自治体にとっては思い切って制度改革が出来ない最大の問題かもしれない。横浜市のように抵抗勢力があっても課題解決に思い切った決断をしないと、新しい産業は育たない。

太陽光発電に遠く及ばない風力発電

自然エネルギー活用による発電は42円/KWでの買い取り制度がスタートし、メガソーラーなどの新しい発電事業の新規参入が増えている。資源エネルギー庁のデータによると昨年4月以降12月までに運転開始した設備の発電容量を見ると、太陽光の91・1万KWに対して風力は3・4万KWと30分の1近い発電量で自然エネルギーとして注目されているわりには極端に低い。これは、送電網が系統連係と言われているが、電力会社への送電や風力発電の電力をやり取りするインフラが未整備であることと、風力は環境評価が必要であるが4〜5年の期間と1億円もの費用がかかること、そして、設置場所が第一種農地の場合は農地転用が認められていないため、風力発電設備設置はソーラーに比べ不利となっている。

ドラッグラグとデバイスラグ

医薬品や医療機器も日本は許認可が厳しく時間がかるために研究開発で優位に立っていても事業では負けてしまうという心配が出ている。医療関係は何と言っても安全性が重要なだけに慎重の上にも慎重にということは理解できるが、最大の原因は薬事行政部門スタッフの不足と審査にあたる専門家が非常に少ないために時間がかかるというのが実情のようである。また、薬事の専門家はいるのに医療機器は日進月歩で新しいものが登場するのにその専門家は非常に少なく薬事専門家が審査にあたるということなのでさらに手不足となるわけである。侵襲性のない医療機器はもう少し審査手法を変えドラッグラグ、デバイスラグを無くして成長分野へ挑戦し易くす必要があるのでないかと思われる。

このように、何か新しいことをやろうと思うと、思わぬ壁が立ちはだかり、資金やマネージメントの問題ではない許認可や法制度や抵抗勢力問題といった壁を突破するエネルギーで事業化が遅れてしまうという課題を抱える。この解決も成長戦略産業の推進には欠かせない。もちろん、なんでも規制緩和をしてしまえばいいというわけではない。安全安心というキーワードは常に担保されることは言うまでもない。

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