公益社団法人横浜中法人会
 
公益社団法人 横浜中法人会 住所:横浜市中区不老町2-11-8 税経研修センター TEL:045-662-6433 FAX:045-641-8222
HOME 法人会概要 入会のご案内 サービス 行事予定カレンダー 他会行事予定  
公告の掲載について
新・横浜経済季評

【2012.12】「日本再生戦略」と これからの経営

「日本再生戦略」とはなにか

政府は先般、日本再生戦略を発表した。大手家電メーカーが軒並み巨額の赤字を出し、再生のためのプログラムは見えない。いったい、日本経済を再生させる成長センターはあるのであろうか。円高が定着し、デフレ脱却の見通しはいまだに見えなく、東日本大震災からの復旧復興も緒に就いたばかり、福島原発による放射能汚染問題の解決も廃炉問題の見通しも全く立たない。そして、想定外だった尖閣諸島領有権問題に発する日中関係の悪化が重なり、日本経済は三重苦、四重苦の中にあると言ってよい。
 そこへ、決められない政治という不信の中で、消費税の二段階値上げが決定したものの、一体改革の福祉政策はこれからである。そして、何よりもこの閉塞感から脱出する「日本再生」のプログラムは不透明のままである。そこで政府は今回「日本再生戦略」を発表し、何とか閉塞感からの脱出に答えを出したわけである。そして、10月末には経済対策の補正予算を予備費からの対応で作成し、早速、日本再生戦略のプログラムに準拠した配分が発表された。さらに、来年度予算日本再生戦略を具体化する予算にするということである。また、税制についても再生戦略を後押しするものにすると言っている。そこで、「日本再生戦略」とはどのような内容で企業経営の視点ではどのように対応すべきか考えてみよう。

日本再生戦略は「グリーン」「ライフ」「アグリ」の三本立て

「日本再生戦略」は犂超変化に対応した新産業・新市場の創出爐箸いι題が付いている。目標年を2020年に定め、12年後までに我が国はどのような産業で、どのような事業で、この閉塞感を脱出するかというシナリオである。すなわち、今から12年後を目指してグローバルな競争の中で狙うべき産業や事業は何か、という目標を示している。
 戦略の中には、科学技術イノベーション、中小企業活性化、観光立国、生活と雇用、人材育成、国土と地域の活力、世界へのプレゼンスなどについても触れているが、何と言っても目立つ戦略のポイントは、「グリーン」「ライフ」「アグリ」の三分野となっている。

「グリーン」ーグリーン成長戦略

グリーン成長戦略の内容は、
 第1に、グリーン部材、素材の開発・事業化である。
 福島原発の事故以来国民の47%は脱原発と言っているし、広島市長は平和宣言で「核と人類は共存できない」と言って共感を得ている。グリーン戦略の中で脱原発とは言っていないが、再生可能発電設備関連という表現で原子力に依存しない設備や技術の開発を強調している。さらに自動車、航空機、住宅についても軽量化や高機能化、省エネ化、レアメタル・レアアースフリー技術の開発が入っている。

 第2に、次世代自動車の本格事業化である。
 すでに電気自動車は各メーカーとも市場投入しているがさらに、3年後は燃料電池自動車の市場化を目標にしている。現状の電気自動車もLi-ion電池がカギを握っているが電池の長寿命化、機能向上がポイントというわけである。

 第3に、蓄電池導入社会の構築である。
 次世代自動車もそのカギは電池であるが、電気はためて使うもの、と言われているように、分散発電、電力の地産地消、さらにはスマートシティー社会構築そして、オフィスも住宅も工事現場も店舗も利便性の向上と電力代の節減、ピークカット対策のために電池の高機能化と低価格化、そして、標準化が重要なテーマである。

 第4は、海洋資源の開発・活用である。
 海に囲まれた日本は海洋資源をどう生かし活用するかというテーマは以前から言われており、海洋研究開発機構(本部・横須賀市)には”しんかい6500”といった有人探査船や爐舛ゅう0号という地球深部の探査船など数多くの調査船、探査船で海底の調査を進め、狠狼絅轡絅潺譟璽0というスーパーコンピュータを使用して数多くの研究が進められている。今回の戦略では、洋上風力、海底鉱物資源開発、天然ガスの開発、藻類のバイオエタノール開発、さらには船舶の省エネ化といった具体的テーマが戦略目標に挙げられている。

 第5は、エネルギーの地産地消である。
 エネルギーの効率的確保と効率的活用がテーマで、スマートコミュニティーを創るためにエネルギーの貯蔵と効率的使用を進める制御システムそしてネットワーク化のためのソフト開発がテーマとなっている。

「ライフ」ーライフ成長戦略

医工連携とか癌の撲滅とか難病対策といった耳触りのいい言葉はいままで飛び交っていたが、我が国の研究開発力をもってしても研究の成果と実現は欧米に比べ歩みが遅いと言われている。そこで、今回の戦略では、
 第1に、革新的医薬品、医療機器の開発である。
 まさに、iPS細胞の研究成果は世界に先駆けた山中先生の研究成果であるが、いよいよこれからが研究の本番で再生医療分野に対する朗報が期待されている。もちろん難病対策に対する創薬、人工臓器や生体材料、内視鏡やカテーテル、手術用顕微鏡等々、テーマは目白押しである。

 第2に、再生医療、先端医療に対する規制や制度の確立である。
 医療は人間を対象にしているだけに、安全とか副作用問題さらには医療倫理、そして感染症対策といった課題もあるだけに、医療技術優先というわけにはいかない。しかし、日本の場合は審査が厳しすぎ審査に時間がかかり過ぎると言った研究開発の成果を世に送り出すスピードに欠けるという批判がある。

 第3は、バイオバンク。
 モデルに15万人の東北メディカルバンクを設立して情報を収集し、蓄積し共有化し、連携して国民の健康管理システムを革新しようということである。

 第4は、ロボットの開発活用である。
 特に介護現場へのロボットの活用は大きな課題であり急を擁するテーマでもある。

「アグリ」ー食と農林魚業の再生戦略

ここではグリーン、ライフと語呂合わせで「アグリ」と表現したが、政府のリポートは、食と農林漁業という表現になっている。
 第1は、戸別所得補償制度が挙げられている。
 この問題は政治的な課題なので次を見てみよう。

 第2は、6次産業化が挙げられている。
 すなわち、農業の1次産業に工業の2次産業、商業サービス業の3次産業を掛け合わせて6次と言っているわけであるが、経済産業省ではすでに農商工連携と言って産業の壁を乗り越えた連携で課題に挑戦することを推奨している。食料の自給率や就農者の定着など数値目標は提示しているが6次産業化一言でかたずけられている感があり、アグリの再生戦略は弱い印象がぬぐえない。

企業が目指す戦略は何か

政府が提案している「グリーン」「ライフ」「アグリ」という3本の成長戦略分野はほぼ納得できる分野である。その特徴は内需に中心があり、次世代分野として環境や福祉や医療、農業といった誰もが納得する分野を改めて示唆している。
 結果として、この三分野は内需振興に貢献するだけでなく、我が国企業の得意分野として、途上国とは棲み分けられて輸出でも強みを発揮するものと思う。この三分野は政府に言われるまでもなく、すでに成長センターとして見え隠れしていただけに、随所で新しい取り組みが始まっている。
 秋田では日本海沿岸に30基の風力発電装置の設置をする新会社が誕生したが、事業計画、製造、制御システム設計、設置工事、メンテナンスすべてを地元企業の連携で行うという。当然地域産業への波及効果、雇用効果、税収効果も期待できる。
 エレクトロニクス分野については、アセンブリの戦いでコスト競争しており我が国には無理な分野かもしれない。最近日本経済新聞社が調査したデータによると今春発売した新モデルのデジカメ、パソコン、レコーダーの三商品は6か月後には47%もの価格下落という、ライフサイクルの短縮化で苦戦しているという。しかし医療機器の高精細モニターなどの需要は強いものがあるものの量産規模が小さいということから余り取り組まれていない。
 農業にしても明らかに成長戦略産業であるが、規制や補助金があったため、明らかにイノベーションが遅れた。それだけに、挑戦すべきテーマは随所にあると言ってよい。

会員情報
会員リスト
会員専用メニュー
会員専用 会員リスト
メールアドレス登録
操作マニュアル
部会
青年部会
社会経済の動き
 

-天気予報コム- -FC2-
社団法人横浜中法人会
Copyright (c) 2004-2006 Yokohama Naka hohjinkai All rights reserved. Produce by saipri