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新・横浜経済季評

【2010.12】研究開発が推進できる経営風土

円高で大騒ぎの日本経済

円高が進行しており、景気は回復するどころか厳しい状況に突入している。政府や日銀に対して円高にストップをかけ円安に誘導する思い切った手を打ってほしいという声は経済界を中心に大きくなっている。しかし、今回の円高は欧米の経済が不振でユーロ安、ドル安に引きずられての円高ということから、単独の為替介入では円安誘導は難しいようである。マスコミの報道は1円高でも150億円もの損失になるといったセンセーショナルな報道が多い。また、T社は米国からエンジンを輸入する、輸出用ベストセラーカーの生産を全面的に海外生産に切り替えるとか、H社も海外からの部品調達を増やすといった話題が飛び交う。このような話題は今に始まったことではなく、以前の80円を越える急速な円高の時も日本中が大騒ぎして、円高対策に翻弄させられたことは記憶に新しい。しかし、円高による輸出採算割れが声高に叫ばれる割には、円高による輸入メリットについては、スーパーマーケットの円高還元セールくらいで、マスコミも大きくは取り上げない。食用肉の動物肥育飼料は輸入に大きく依存しているし、カジュアル衣料品、靴やバックや財布などの革製品、ソーセージ用腸皮、そば粉、漬物用野菜、外食産業用肉、エビやサーモンなどの海産物など多くの分野で輸入依存は高まっているし、石油や液化天然ガス、鉄鉱石、石炭といったエネルギー関連資源もほとんど輸入である。

中小企業の経営は大企業以上に大変

大企業の場合は円高対策は即対応が可能とみてよい。すでに円高時代のグローバル経営に経営戦略を切り替え済みだからである。すなわち、個別経営戦略としては、円高という環境変化に対応した作戦がとれるし、また、生き残りのためにはあらゆる有効な手が打てる。しかし、中小下請け企業の場合は取引先の戦略転換によって受注がなくなる可能性が高いだけに、高見の見物というわけにはいかない。かといって、中小企業も取引先と一緒に海外移転を簡単に決断するわけにはいかない。資金力、人材力、情報力が弱い中小企業は海外移転をすれば問題が解決するという単純な発想ではなく、企業の新しい戦略としての海外工場を位置付ける。

避けられない研究開発による存在感

結局、国内生産にしろ海外生産にしろ、存在感のある企業になるためには、優れた品質(Q)、コスト(C)、納期(D)中心の価格競争力で勝負するのではなく、高度な技術や製品サービスといった製品競争力で勝負できる企業に変身しなければならないということである。しかし、研究開発で成功することは簡単なことではない。中小企業がないないずくしの中で市場に受け入れられる商品を生み出すことは、相当の覚悟をしなければならないし、まさに、リスクに挑戦することである。何を造るかではなく、何を創るかという発想をしなければならないし、それは、価格も含めて市場が受け入れてくれるものか、ライバルや既存のものに比べて評価できる差別化されたものはあるか、市場投入のルートはどうするか。と取り組むべき課題は多い。それだけに、経営者の開発にかけける覚悟、意欲、情熱、社員のチーム力といったものが欠かせない。

研究開発型経営風土が土台

何事によらず中小企業はトップの経営方針がものをいう。トップがその気になって先頭に立てば何事も推進できるし、トップがその気にならないことは何事もうまくいかない。
日本一になったステンレスポストメーカーのH社は事業のコンセプトを「富士山の雪」とした。富士山を描くとほとんどの人が左右対称の円錐形の山を描き、頂上を少しぎざぎざの平らにし、そこに白い雪を描く。わが社の製品は富士山の雪ですよ??
 それは何ですかと聞くと、安売りのポストはすぐさび付いてしまったり、何かが当たってへこんだり曲がってしまうが、住宅は生涯最大の買い物だという以上ポストも高額な住宅にふさわしい立派なものであるべきだ。という発想の元、オールステンレス製の高級なものしか作らないことにした。その結果、社員の開発ベクトルは定まり、戸建住宅用ポストだけでも100種類ものポストを開発しあらゆるニーズに応えられるという。
「Function is Beautiful」という、コンセプトでアウトドアライフ商品のトップメーカーに躍り出たM社は、チリ銅鉱山の地底での救出に備えるためにNASAでも使用された吸湿性、速乾性、抗菌性、消臭性に優れた高機能Tシャツを提供し喜ばれた。創業経営者は登山が好きで山岳ガイドになろうと思ったが、身につけるウエアや寝袋や用具の機能性が悪いことに気づき、結局自分で作るしかないということから、仲間三人で創業し年商300億円、500人の企業に育て上げた。国内に縫製工場を持ちスイスとアメリカに販売会社を作り世界中を相手に次々と新しい商品を開発している。この企業には背広を着ている社員は社長はじめほとんどいない。全社員が思い思いの自由な格好で仕事をしている。大切なことはいつも商品開発のこと、販売手法のこと、そして、顧客サービスとユーザーニーズの情報をキャッチするためのイベント企画と参加だという。まるで遊びが仕事に、仕事が遊びになったような会社である。だからこそ、アウトドアライフ派の顧客には高い評価を得ている。最近もTシャツと同じ150gという超軽量ダウンジャケットを発表しヒットさせた。
環境計測機器や各種分析装置メーカーであるH社は戦後個人創業し、今や上場企業に成長したベンチャー企業のモデル的企業であるが、この企業の社是は「おもしろおかしく」である。学者社長の創業ということから見学者なども多い。その見学者が良くする質問に、「御社の社是は何ですか」というのがあった。創業経営者は社是ってなければならないものかな?と思い幹部社員に聞いたら、なくとも何とも思わないが、あればよりいいかもしれませんね。ということだった。そこで次回の会議に提案すべく、いろいろ考えてみたという。当社の社員は何か新しいものを生み出そう、何かを革新しようと日夜考えていることを思うと、人生の大半をすごすこの会社での日常が、面白おかしい充実したものでなければならない。と思ったというわけである。早速提案したところ、幹部に中には不謹慎社是だという批判もあったが、社長の思い至った考えを聞くにつけ、全員了解となりこの社是は30年以上経過する今日も、ますます輝きを増して、自由な社風の中で自由に発想し経営者も思いつかないものが開発の現場で進行し、世界で80%ものトップシェアという測定装置も生まれている。

トップの行動が風土を創る

複数の学会に入会して関係社員に情報収集の機会を与え、パーティーには必ず出席しろと指示している社長。社長が海外出張するときは必ず入れ替わり立ち替わり社員を同道させ、トップの行動と情報に対するアンテナの鋭さを体現させる社長。最も最近はあまりにも社長の行動が猛烈なので社員はゆきたがらないという噂も聞いているが。お客様の「不満」「不平」「不安」「不足」といった「不」を重視して開発やサービスに努めて1部上場企業になった化粧品メーカー。このようにトップの日常的な行動実践、決断の中にこそ、新しいものを生み出す風土づくりの源泉があるように思う。そして、この風土の中の集団が威力を発揮するとき、ニッチトップとなるのではないだろうか。

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