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新・横浜経済季評

【2009.09】差別化を目指して、次に備えよう!

見え始めてきた、成長センターの兆し

景気は持ち直しを見せているとはいうものの、明らかに底を打ったかどうかはまだ分からない。今年いっぱいは無理だという専門家の意見も多いだけに、楽観は許されない。事実、ハイブリットカーは好調でメーカーによっては今注文しても今年度中の納車はできないという状況という反面、エコポイントの支援があるにもかかわらず、ルームクーラーは予想したほどの伸びはないというし、百貨店の売り上げ動向は相変わらず昨対比大きなマイナスを続けている。各業界、各社とも現状打破の手は打たれているようであるが、劇的変化はまだ見えない。

それでも、変化の兆しはあり、情報通信産業の不振を横目に素材産業の設備投資は近年になく活発になっているということである。特に環境・新エネルギー分野の太陽光パネルや、リチウムイオン電池関連の各種素材産業や部品産業の大型投資が目立つだけに、この分野の状況は来年にははっきりするものと思われる。それだけに、今は我慢の時で、1〜2年後の成長センターが明確になるときに備える時ではないだろうか。

小売店の売り上げ不振、中小工場の受注不振、外食産業の競争激化、繁華街のシャッター化と現在は課題だらけである。しかし、いつまでも現状のまま推移し、衰退してゆくわけではない。端もの野菜(きずもの)を専門に扱う企業を立ち上げた農協、10月頃収穫する価格のでない番茶を原料茶として供給することに成功した、静岡の茶園製茶工場、繁華街でもロードサイドでもないわかりにくい場所なのに大繁盛のレストラン、地価の安いところをねらって投資を押さえた出店で成功しているディスカントストア、ペット同伴歓迎で圧倒的なリピータ率を誇る老舗旅館など、現状打破型の企業は沢山存在している。

次への備えのヒントは現場の中に

経営の重要な鍵はすべて現場の中にあると言われている。不良品の多い工場、仕掛品の多い工場、スクラップの沢山出る工場、回転の悪い商品がいつも棚を飾っている商店、経営者がものづくりや販売の現場にいるよりも銀行に行っていることの多い企業、このような企業は資金繰りに苦しんでいるかもしれない。客先苦情や現場で起きたトラブル情報が2〜3日しないと報告されない企業、従業員が定着しない企業など、経営の現象面に現れた事実を解析すると取り組むべき経営課題は見えてくる。このような課題は一見戦術的に見えるが、その企業のウイークポイントだったり、客先が厳しい目で見ている課題だけに戦略的に課題解決を図らないと競争の中で生き残るのは難しい。このような課題を抱えたままでは、仮に成長センターに取り組んだとしても、ものにすることはできないであろう。従って、今こそ、課題解決に取り組む絶好の機会で、来るべき時代に備えるということがいまやるべきことではないだろうか。

課題だらけの現場、参考になる現場

先日、有名な中華料理店で昼食に、冷やし中華を注文した。1人であったが気分良く席に案内していただき、すぐ、冷たい麦茶が出てきた。店内には男性2人、女性2人の店員がおり、きびきびと動いていた。よく観察すると1人の男性は若い店員であったが、笑顔も言葉遣いもよく動作も素早く見事であった。しかし、1人の女性店員は笑顔がなく、応対が冷やかであった。一流店だが店員教育では苦労しているのかな?、アルバイト店員で店長は苦労しているのかな?などと類推したが、おいしい冷やし中華だっただけに、ちょっと残念だった。

講義をしている大学の側に、昔からある12席ほどの小さなラーメン店がある。このラーメン店は夫婦で経営しており、主人は、鍋ふり、奥さんは顧客対応とまさに二人三脚で頑張っているごく普通の店である。私が好きなのは味もさることながら、抜群にきれいなことである。厨房がまる見えであるが、機器も壁もステンレスでいつもピカピカである。主人は「いらっしゃい」くらいしか言わない寡黙な料理人で、いつも奥さんが取り次いだ料理を黙々と、鍋を全身を使って振るだけである。想像であるが、閉店後も毎日この主人は、黙々と厨房を磨いているに相違ない。出されたコップの水までおいしく感じるから不思議である。

街中によく見かけるコーヒーショップは、早い、うまい、クリーンそして安いということから利用する人は多い。コーヒー好きの私もちょっとした時間を見つけてはよく使う。ある駅前にある店もいつもよく混んでいる。先日いつものように入店し、1人だったので大きなテーブルに座ってコーヒーをいただいたが、ふと、目の前の花瓶に入っている花を見ると、折角の花なのに3〜4日水を入れ替えていないのか、花はしおれていた。この企業のマニュアルでは店内を飾る花の扱いはどうなっているのだろうか?この花は店長の個人的行為でおいてあるのだから、店員は関知しなくていいということなのだろうか。残念な思いで店を後にした。

精密な金型を作ることでいつも受注残を抱えていた金型屋さんも、今回の不況ではさすが30%もの受注減で赤字決算になるかもしれないという。しかし、社員のリストラはしないという。忙しすぎた過去を反省し、技術を基本から勉強して提案営業ができるようにすること、今挑戦している新しい技術にさらに磨きをかけるという。

私が教えている学生の中に、父親が中小企業を経営しているという生徒がいる。1人は精密な医療機器を作る職人技の父親でとても付いて行けそうもないし、文系に進んだので、事業を継ぐつもりはないという。もう1人は、リサイクル産業の仕事をしているという。興味は持っているのだが、仕事は難しそうだし、環境の変化も大きい仕事なので、事業を継ぐつもりはなく、目下就活中ということである。

医療機器もリサイクル産業もこれから伸びる産業ではないかと思われるだけに、事業承継の難しさを感じている。

挑戦のキーワードは「差別化」

パラダイムシフトが始まっており、成長センターは、エネルギー、環境、福祉といった分野といわれている。その中で中小企業の挑戦分野は、すべて「新」ということではない。新製品・新技術は耳触りはいいが、立ち上がりに時間がかかるし、中でも、ハイテクほど大企業の最終製品やその関連に供給するものが多いだけに、製品即商品とはならないケースも多い。したがって、新しければ必ず市場は歓迎するとは限らない。さらに、新しいものほど技術の革新も激しく、新規参入も多いと思わねばならない。

そこで、中小企業が取り組むキーワードは「差別化」と言えるのではないだろうか。すでに、市場化されているもの、大企業に供給しているパーツといった実績の上がっている分野で、軽量化、小型化、長寿命化、高性能化、多機能化、歩留まり向上化、省エネ化、工数低減化といった差別化で顧客の評価を高めることが必要である。

商店にしてもポイントカードに頼るリピーター確保ではなく、量販店とは違う品揃え、マニュアルを超えた顧客対応、安心安全なまちづくり、公共施設や集客施設などもある複合化した魅力的な街といった基本に立ち返った、差別化された街、店にできないだろうか。

そのためには、被害者意識を捨てた挑戦心が経営者には欠かせない。課題がたくさんあるということを深刻にとらえるのではなく、一つ一つ解決することによって希望を切り開くことが出来るはずである。

今こそ、あわてずに次に備えた差別化のための、諸課題の改善、社員の教育訓練、後継者問題の解決などに取り組みたいものである。

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