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新・横浜経済季評

【2009.03】イノベーションは危機からはじまる!

暗い話題でスタートした平成21年

昨年末のデータであるが、世界不況と円高は近年にない貿易統計となり前年同月比で11月が26.7%減、12月が35%減という2カ月連続で過去最悪を更新する輸出減ということである。当然鉱工業生産指数も10〜12月が11.4%減となり、引き続き20%以上の減少が見込まれているという。特に自動車生産の落ち込みが深刻で、どのメーカーも赤字決算の見通しとなって減産を発表している。また、半導体メーカーの稼働率は50%を割り過去最悪の状況であるという。したがって、工作機械の受注額に至っては70%を超える受注減ということで想像を超える落ち込みに呆然としている状態ということである。データで見る限りでは、百貨店の売上も個人消費の冷え込みは続いており、昨年末はクリスマスや歳暮シーズンにもかかわらず、前年同月比9.4%マイナスという深刻なものだった。したがって、日銀の経済成長率見通しは政府見解のゼロ成長より厳しく、マイナス2%という近年にない暗い見通しとなっている。

しかし、明るい話題も目白押し

冒頭に暗い話題を列挙したが、それでは明るい話題が全くないかというと、必ずしもそうではない。年末から新年にかけての新聞のヘッドラインを見てみよう。

エネルギー関係がCO2対策やコスト低減、次世代といったキーワードにかかる話題で事欠かないことがわかる。2、3拾い読みしてみよう。

●「2009は家庭用燃料電池元年、性能、コストとも普及レベルに」

●「A社、固体酸化型小型燃料電池を戸建屋外設置だけでなくマンションにも供給」

●「国内の太陽電池は6%増だが、欧州向けは53%も伸びる」

●「官民協力で太陽光発電の規格統一を来年をめどに、標準化でコスト低減」

●「産業機械のB社は太陽電池製造装置関連を相次いで開発」

●「C社の太陽電池向け電極製造工場が完成」

●「太陽電池や電気自動車向けパワー半導体の増産に取り組む企業が増える」

電気自動車関連を見てみよう。

●「D商社はカーシェアリング用車両に電気自動車を導入する方針。5年以内に1000台に拡充」

●「E社は、仏大手に電気自動車を供給。3年間で1万台に」

●「電気自動車の実用化が加速。F社、G社は来年にも新型車を発売予定」

したがって、電気自動車のキーパーツとなる、ハイパワーLi-ion(リチュウムイオン電池)も、急速に活気づきはじめている。

●「次世代高性能Li-ionの開発製造拠点神奈川 県内に集積加速」

●「H自動車とI電気はLi-ionを生産するために1000億円の投資を発表」

●「J社、K社は本年度よりLi-ionの量産を始める」

●「L社はLi-ionの工場を新たに新潟に建設する」

●「M社はガソリンスタンドに急速充電器を5年で3000台設置する」

といった具合に、積極的な開発投資や生産工場の建設、あるいは販売に打って出るところや、関連分野に取り組むところ、インフラ整備に入るところと、暗い景気の話題とは反対に明るい話題が目白押しであることがわかる。

危機の時に起きるイノベーション

よく言われることであるが、「危機」という字は「危ない」という意味であるが、この字をよく見ると「危」という危ないという意味と「機」というチャンスという2字で構成されているのだから危機は危ないと気落ちしたり、委縮したりすることなく、逆にチャンス到来と考えて、新しい発想で新分野に挑戦すべきだという。事実、80年前の世界恐慌の後に日本でも自動車が誕生し、長い間産業のトップバッターとして日本経済を牽引してきたし、コンピュータも第二次世界大戦の後に誕生している。今日は100年に1度の金融危機に端を発する世界同時不況と言われ、金融資本主義が崩壊したことは明らかであるが、産業資本主義は新しい価値を創造しながら、厳然として生きづいていることに気づかねばならない。歴史はドルショックもオイルショックも円高ショックも多くのショックを乗り越えてきている。そこへ、地球温暖化対策、エネルギー革命、食糧対策、水対策と課題山積であるが、だからこそ、チャンス到来で、挑戦すべきテーマは目の前に提示されているということではないだろうか。

成長分野の周辺にビジネスチャンス

燃料電池も太陽光発電も電気自動車も中小企業にはあまり関係ないと思っている人もいるかもしれない。しかし、いずれの分野も中小企業の類稀な技術がなければ市場性あるものはできない。いずれの分野も、応用分野においても大きな広がりを見せる分野といってよい。燃料電池は技術もさることながら、購入設置、維持管理における経済性さえクリアできれば、都市ガスが来ているところ、プロパンガスや灯油が配送されているところにおいては、固体酸化型のものは普及される可能性が高い。

さらに可能性が高いのはやはり太陽光発電ではないだろうか。すでに戸建住宅の屋根や公共施設で使われているところをよく見かけるが、ある調査では、価格が100万円を割ったら自宅に設置したいという積極派が65%になっているという。

技術のカギは発電効率にあるようであるが、アモルファス型、フィルム型、色素増感型と施工性や維持管理性に優れたものが日進月歩で開発が進んでいるだけに希望が持てる。当然、さらに安全性が高く、機器部品の耐久性が高く、メンテナンス性に優れたものを供給するためのビジネスモデルに地域経済を担う中小企業の約割りは相当あると思う。

Li-ion技術は日本は最先端にあると言われるが、コストが最大の課題で、標準化がカギである。

乾電池のように標準化されれば量産効果と需要の増大で各分野の産業の活性化に大きく貢献することは間違いない。Li-ionは電気自動車だけでなく、太陽光発電や風力発電にとっても欠かせない電池で、二人三脚の関係にあるといえる。また、住宅の床下に敷き詰めたり、屋外設置で太陽光発電や夜間電力を活用することも可能でエネルギー効率およびエネルギー使用コストの低減に大きく貢献する。もちろん、バックアップ電源、各種装置の電源、移動体の電源など活用の可能性は大きく、各産業にインパクトを与えるとともに、その関連事業の活性化にも貢献すると思われる。ガソリンスタンドは油の供給だけでなく、Li-ionのリーススタンド機能を持ち、スタンド内で太陽光発電も活用して充電済みのLi-ionをリースできるインフラが整備されれば、普及活用は急速に進むものと思われる。

産学官の連携が重要

新しい技術や事業を普及させ定着させるためには、産業界だけでなく研究分野の貢献、そして何よりも政府や自治体の支援が欠かせない。政府は太陽光発電装置導入者への減税措置、電気自動車購入の場合の自動車重量税の全額免除などを行うという。イノベーションには常に強力な抵抗勢力との戦いがあるということなので、100年に1度の構造不況から抜け出すためには、産学官が連携して、新しい分野に1歩前進させることが重要である。

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