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公告の掲載について
栗田 かおる 氏
インタビュー 2020年11月
コロナ禍でも、オンライン出展や越境ECなどを活用してビジネスチャンスを提供しています。
ジェトロ横浜所長
栗田 かおる 氏  
PROFILE
横浜市生まれ。1992年 私立清泉女学院中学高等学校 卒業。1997年 上智大学文学部 新聞学科 卒業。1997年 日本貿易振興会(現 日本貿易振興機構=ジェトロ)入会。2006年から4年間、ヒュースン事務所に駐在。2019年4月より現職。趣味:水彩画、茶道、DIY。

──●ジェトロ(日本貿易振興機構)の役割、機能からご紹介ください。

私たちジェトロは、主に中小企業の海外展開―貿易や海外進出―を支援するアウトバウンドと、外国企業が日本に拠点を設立するにあたっての支援を行うインバウンドの二つの機能を担っています。海外展開支援では、「海外の経済動向、市場情報を入手したい」「貿易投資の手続きについて知りたい」「海外取引先を開拓したい」といったさまざまなご要望に応じたメニューを揃えています。また、外国企業が日本での拠点設立を考えたとき、首都圏では東京に次いで神奈川、特に横浜を進出先候補として検討したいというご要望も多く、そのサポートしています。

──●神奈川の企業が海外へ展開するというニーズは多いのですか。

はい。特に多いのは、海外へ輸出したい、というご要望ですね。昨年は約1400件の貿易投資相談がありました。海外進出や輸入のお問合せもありますが、輸出への関心のほうが高いです。また、専門家がついて継続的に海外展開を個別支援している企業の中で、最も多いのが横浜の企業で、輸出先としてはアメリカ、中国のほか、ベトナム、台湾などアジア諸国が注目を集めています。

──●新型コロナウイルスの感染拡大で海外ビジネスにも大きな影響があったと思いますが。

3月頃から海外渡航が難しくなり、当初は貿易投資相談も減るかな、と思いましたが、4月、5月とも例年を上回り、むしろ増加傾向にあります。現地の輸入規制や関税、貿易手続きを知りたいといった企業が多いです。お客様のなかで特に多い製造業では、おそらく最初はすでに受注済みの生産があったからだと思いますが、飲食業や小売業の方と比べて、コロナの影響が後から出てきており、6月頃から自動車部品などの製造業や物流企業などが厳しい状況になってきて、ジェトロにも「新規の顧客を探したい」というご相談が増えてきました。

──●秋以降もコロナの収束が予想できないなかで、ジェトロはどのような活動に取り組んでいますか。

まだ自由に海外の展示会や商談会に参加できない状況の中で、ジェトロが力を入れているのは、オンラインでの出展や、越境ECという現地の消費者向けの電子商取引サイトでの販売を通じて、ビジネスチャンスを提供することです。そのため現在、ジェトロの支援メニューのデジタル化を進めていて、その一つが、世界最大級のBtoBのマッチング・プラットフォームであるアリババドットコムへの出展サポートです。約400社の日本企業に対して、アリババドットコムのサイト内に、会社概要と商品紹介の英文ページを作成し、プロモーションを展開します。オンラインサイトですので、年間を通じて190カ国以上の世界中のバイヤーに対して売り込みができます。

──●なるほど海外との商談もリモートが進んでいるわけですね。

はい、このほか、食品や日用品、生活雑貨などを海外ECサイトで販売する「ジャパンモール事業」というプロジェクトをジェトロが主導しています。ジェトロが連携している海外の主要ECサイトのバイヤーの方に、事業に申し込まれた日本企業の商品を現地の消費者目線で見てもらい、気に入った商品について買付けしてもらいます。連携するECサイトの多くは、日本国内に調達拠点があるため、国内倉庫へ商品を届ければ取引は完了するので、為替リスクや言語対応の心配がなく、初めて輸出に取り組む企業にとってもハードルが低いと思います。現地の消費者のコメントもフィードバックしてもらえるので、売れ筋商品の開発やマーケティングに役立てることもできます。

──●現地へ行くことなくビジネスを進められるのは魅力的です。その一方でオンラインならではの苦労はありますか。

オンラインでは、手触り、質感、匂い、味などは分からないので、いかに商品の魅力を伝えられるかが大事になってきます。バイヤーとの商談では、食品などは事前にサンプルを輸送したりもしますが、たとえば製造過程を動画で紹介し、いかに丁寧に精度高く作られているかアピールする。あるいはその商品が生まれた背景や歴史、こだわり、使われている素材やそれを取り巻く豊かな自然など、商品の背景やストーリーを伝えることで、商品への理解、見方が変わってくると思います。海外の方に実際に日本に来て体感してもらうことが難しい今、オンラインだからこそ伝えることができる、という側面もあるので、動画や写真を活用し、しっかり対策を考えていくことが必要でしょう。

──●いかに伝えるか、ということは確かに大切ですね。日本独自の商品などは特にそう言えるのではないでしょうか。

そうですね、以前、東京本部のデザイン産業課という部署で、日本の伝統工芸品や日用品の企業が海外に商品を売り込むのを支援していたとき、たとえば「夫婦茶碗」はなぜサイズが違うのか、なぜ男性が青で女性が赤なのか、同じ大きさと色で良いではないか、というバイヤーからの質問がありました。また和食器は5客組が基本ですが、ペアで食事をする習慣のある国では「偶数でないと売れない」と言われたり。良い商品でも、現地の習慣や文化を理解してカスタマイズすることも大切だし、紹介の仕方も工夫が必要だと思います。

──●ジェトロ横浜としての独自の動きはありますか。

ジェトロ横浜が支援している企業の商品は、工業製品から日用品、食品と多岐にわたりますが、これまで神奈川の食品、農水産品としてまとまって支援する機会はあまり多くありませんでした。そこで一昨年、昨年はシンガポールで開催されている日本食品の総合見本市である「フードジャパン」に神奈川ブースを出展し、わらび餅、ゼリー、納豆、日本酒、果物などを扱う神奈川の企業の輸出支援を行いました。今年は展示会が開催延期になっていますが、シンガポールのバイヤーとオンラインで商談できる機会をつくれるように準備を進めています。神奈川の食品、農水産品には素晴らしい商品がたくさんあると思うので、輸出にあたってのノウハウを共有しながら、神奈川ブランドとして「面」でまとまってプロモーションできないかと考えています。

──●コロナ禍においても前を向いていかなければなりませんね。

そうですね。今は海外でも感染を避けるため、多くの方がステイホームを続けており、家で楽しく過ごそう、という志向が強くあります。そうした中、人々が求めているものは、自宅で楽しめる商品、テレワークに役立つ製品、また、医療、健康、衛生関連の必需品など、意外に世界共通のものだったりします。ステイホームがビジネスにつながった例としては、もともと来日する外国人向けに料理教室を運営していた相模原市の企業さんが、コロナを機に、初めてオンラインで料理教室を開いて「キャラ弁」をつくる講座を設けたところ、世界中からお申し込みがあったそうです。また、川崎市でチョークや固形マーカーなどの文具を製造する企業の方は、その固形マーカーで家の窓に絵を描くキャンペーンを行ったところ、海外でオンラインでの販売が好調のようです。さらに平塚市の紫外線殺菌ランプのメーカーには注文が急増し、工場がフル稼働しているそうです。

──●県内企業が世界に向けてビジネスチャンスをつくり、つかんでいくためにもジェトロには大きな期待がかかります。

国内だけではなく、市場は世界にあると発想を変えて、海外ビジネスにも挑戦していただけたらと思っています。もちろん、はじめる前には、事前の市場調査や取引先探し、そして商談、契約、貿易実務など、いくつものハードルがあります。ですが、その実現のために、ジェトロでは企業の皆さんの段階に応じて必要なサポートを提供し、ビジネスを後押ししていきたいと思います。まずは、お気軽にご相談、お問合せいただけたら嬉しいです。

横浜貿易情報センターにて(8月27日取材)
インタビュアー広報委員 福井

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