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新井 鴎子 氏
インタビュー 2020年7月
地域の学校や病院、福祉施設などと連携した公共ホールの在り方を追求していく。
横浜みなとみらいホール 館長
新井 鴎子 氏  
PROFILE
 東京藝術大学音楽学部楽理科および作曲科卒業。NHK教育番組の構成で国際エミー賞入選。これまでに「読響シンフォニック・ライブ」「題名のない音楽会」「エンター・ザ・ミュージック」等の番組、コンサートの構成を数多く担当。東京藝大COIにて障害者を支援するワークショップやデバイスの研究開発に携わる。
 著書に「おはなしクラシック」(アルテスパブリッシング)、「頭のいい子が育つクラシック名曲」(新星出版)、「音楽家ものがたり」(音楽之友社)等。東京藝術大学特任教授、洗足学園音楽大学客員教授。横浜音祭り2013、2016、2019ディレクター。

──●今年4月1日から「横浜みなとみらいホール」の新館長に就任されました。おめでとうございます。さて、そもそも新井さんはなぜ音楽の道を歩んでこられたのですか。

私は両親が芸術家で、父は画家、母がピアニストという家庭で育ちました。その教育方針のせいか幼少の頃は我が道をいくというか、俗にいう「浮いている子ども」でした。ピアノは子どもの頃から習っていましたが、特別な教育を受けていたわけではなく、学校は公立でした。高校時代は毎日ピアノの練習に明け暮れていましたね。両親ともに東京藝術大学を卒業していたので、私も自然と音楽家を志して作曲科に進みました。卒業後は友人のコンサートの企画などをしているうちにテレビの音楽番組の世界から声がかかり、本格的に音楽構成作家という仕事に入っていった感じですね。

──●「題名のない音楽会」をはじめ多くの番組やコンサートの構成に携わってきた新井さんと横浜とのご縁はどのように生まれたのですか、また横浜みなとみらいホールとの関わりは以前からあったのですか。

横浜とのゆかりは2 0 1 3 年を皮切りに2016年、2019年と音楽フェスティバル「横浜音祭り」でディレクターを務めさせていただいており、そのメインホールが横浜みなとみらいホールでした。また周年公演である「バースデーコンサート」や「こどもの日コンサート」の構成もやらせていただいたこともあり、ホールとのお付き合いは深く、私自身も横浜という街が大好きでありご依頼いただく度に喜んで参加させていただいてきました。

──●館長に就任された経緯とお気持ちをお願いします。

「横浜音祭り」がご好評いただいたこともあって声をかけていただき、お引き受けしましたが、大変光栄であると同時に身が引き締まる思いでした。これまで音楽構成作家として仕事をやってきて、ホールの館長というのは初めてですが「音祭り」や東京藝術大学での障がいとアーツ研究の取り組みなどを活かして、横浜の音楽文化の発展に貢献できればと思っています。

──●就任されてから、ホールの紹介をされるときに「美しい海と美しい音楽と」というフレーズを用いていますが、ここに込められた想いを教えてください。

横浜みなとみらいホールは、主にクラシックコンサートが開催されるホールで、クラシックの聴衆の皆さまはある種の緊張と集中力をもって音楽に耳を傾けられると思います。このホールの大きな特徴は、音楽を聴き終えた後、ロビーに出ると、目の前に広い空、そし海を望むことができる点です。美しい景色を前に大きな開放感を味わい、聴いた音楽をもう一度反芻するひとときをもつことができる。それはとても贅沢な時間だと思います。コンサートホールのロビーから外の景色が一望できるホールは日本中探してもそう多くはありませんし、まして海を望むことができるのは世界的にみても横浜みなとみらいホールくらいなもので本当に希有な存在です。ですから、「美しい海と美しい音楽と」というフレーズをもってアピールしたいと考えているのです。

──●2021年1月から横浜みなとみらいホールは約1年10ヵ月におよぶリニューアル工事に入ります。

お話しをいただいたときにまず念頭にあったのが、リニューアルのことでした。リニューアルオープンへ向けてゆっくり企画を考えて、新しいホールをつくっていくのが私の大きな仕事になります。まず2年近くクローズするわけですが、その期間をどうやって埋めていくか。もちろんホール以外のところでみなとみらいホールが企画したコンサートも開催しますが、平行して「移動型横浜みなとみらいホール」というスタイルも考えています。横浜みなとみらいホールの音響と空間を誰でも体験できるようなブースや映像を創って、たとえばトレーラーハウスなどであちらこちらを回って、みなとみらいホールのコンサートをVR(ヴァーチャルリアリティ)の映像で多くの方に体験していただければと思っています。ホールが休館中だからこそ日本中に横浜みなとみらいホールの魅力を発信し広める、そういう仕組みを2021年につくりたいと思います。また同時に今回の新型コロナウイルスの影響でホールに行けない状況は今後も起こり得ることです。そのようなときにも移動型ホールによって新しい音楽の聴き方、楽しみ方をご提案できるかと思います。

──●VRについてはすでに行っているホールなどはあるのですか。

ヨーロッパのオーケストラが自分たちの演奏をVR体験できるように発信している例はありますね。国内では東京混声合唱団が通信会社と提携して「音のVR」というものをつくって合唱のVR体験を試みています。そういう前例を参考にしながら、横浜みなとみらいホールでは今年度開催するコンサートを映像化し、2021年に日本全国に出前できるようにしたいと思っています。

──●リニューアル後のイメージをどのように描いてしますか。

今回の新型コロナウイルスの影響で、音楽文化の在り方が大きく変化していくと感じています。コンサートホール、特に公共ホールは街のなかで単体としてポツンと存在してもまったく機能しないわけです。つまりその地域の学校や病院や福祉施設と連携して多目的な機能をもつ在り方が求められると思うので、2022年以降はそうした部分がもっと広がっていくようにしたいですね。ちょうど17世紀、18世紀のヨーロッパの教会が、皆さんが祈りを捧げる場所であると同時に病院であり、学校であるという色々な機能を果たしていた、そういうイメージの公共ホールになっていきたいと思います。

今私は東京藝術大学でインクルーシブアーツというものを研究しています。障がい者支援プログラムと考えていただいてよいのですが、障がいのあるなしとか、高齢者とか、すべての境遇の方がアートを通じて交流するための研究開発で、その拠点になるのが公共ホールだと思っています。障がいのある方が来やすかったり、高齢者がここでくつろげたり、そういう音楽を聴く目的以外のところを広げていくのが、2022年以降の大きな目標ですね。

──●中法人会の皆さんにメッセージなどありましたらお願いします。

リニューアルオープン後は、色々な境遇、状況の方々に気軽にホールに足を運んでいただきたいと思っています。クラシックコンサートというのは、大抵夜の7時から始まって2時間から2時間半のプログラムというのがパッケージになっています。お客さまは事前に予約していらっしゃるわけですが、私はそうではないスタイルもあっていいと思っています。たとえば朝の1時間、昼の1時間、夕方の1時間、短い60分間のコンサートを企画する。どなたもご存じの名曲中の名曲を聴けるコンサートで、買い物や仕事の帰りにちょっと立ち寄って、素敵な音楽体験をしていただく。もちろんチケットもリーズナブルにして、皆さんに開かれたコンサートをたくさんつくっていきたいと思っていますので、ぜひお越しいただければと思います。

テレビ会議にて取材(4月17日取材)
インタビュアー 福井

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