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公告の掲載について
菊嶋 秀生 氏
インタビュー 2020年5月
新しい時代に横浜がさらに輝くために、街並みの活性化と魅力を創造していきたい。
ストリートファニチャーデザインコンペティション 運営委員会会長
菊嶋 秀生 氏  
PROFILE
趣味:マリンスポーツ(ウィンドサーフィン)、山登り。出身地:神奈川県横浜市。1983年 私立聖光学院高等学校 卒業。1987年 早稲田大学理工学部 建築学科 卒業。1989年 株式会社菊島鉄工建設(現 株式会社キクシマ) 入社。1998年 代表取締役 社長 就任

──●ストリートファニチャーデザインコンペティションは、今秋の開催で第4回目を迎えますが、その内容と、開催に至る経緯などからご紹介ください。

元々は、私が代表を務める総合建設会社、(株)キクシマの創立50周年の記念事業からスタートしました。5年前に創立50周年を迎える際に、地元に育てていただいた企業として感謝を伝えたいと思いました。それはパーティを開くといったことだけではなく、当社が大切にしている思いをお伝えするものにしたかったんですね。そして横浜の街をより魅力的に輝かせることを記念事業として成立させたいと思い、街を楽しくしていくような「ストリートファニチャー」のアイデアを募集して、街づくりを皆で一緒に考える機会とその発表の場をつくるコンペティションを実施することを考えました。応募はプロのデザイナーから一般の方も大人からお子さんまで、どなたでも参加できるようにしました。

──●ストリートファニチャーとは街のベンチやサインといったものですよね。

はい、一般的に街路備品と言われるものです。コンペでは特に横浜の街の活性化を目的に新しい視点からのストリートファニチャーの提案を期待していました。開港当時、横浜は海外からのお客さまを大勢迎え入れ、全国からも人が集まりました。横浜は色々な文化を吸収して、洗練された街として発展してきましたが、横浜は常に新しいことを発信し輝いている街であって欲しい。そういう思いで記念事業に取り組みました。

──●その記念事業が好評で、定期化していったわけですね。

結果としてこの記念事業にはかなりの反響をいただき、多くの方から「継続した方がいい」という声が寄せられました。ただ一企業としては単発ならともかく継続していくとなるとマンパワーも必要になるので、日頃お付き合いある方々にご協力いただけないか相談したところ「いいね」と快く賛同いただきました。そこで運営委員会をつくりまして、我々は事務局として裏方に回り、協賛企業を募り第2回、第3回と開催させていただいてきたのです。

──●現在は協賛企業も100社近くになり、地元の認知も高まってきました。

おかげさまで多くの企業、皆さまのお力をいただいています。特にスタート時からお世話になり、現在も運営委員会のンバーである(株)メモワールの渡邊さん、(株)ありあけの堀越さん、(株)横濱屋の山本さん、(医)湘南太陽会の鳥居先生など、横浜で活躍されている方々のサポートと皆さんのネットワークを活かしていただき支援の輪が広がってきました。

──●毎回、応募作品も増え、内容がパワーアップしていますね。作品の質も上がっていると思いますが、個人的に印象深い作品はありますか。

去年は157作品の応募がありました。そうしたなかで多くの作品が印象に残っていますが、すぐに思い浮かぶのは第1回の慶応大学大学院のホルヘアマザン研究室からの提案で「Three HundredChairs」ですね。小学校などで使われなくなった椅子を赤レンガ倉庫でペインティングするワークショップで、たくさんの椅子を赤レンガ倉庫前の広場に無造作に置いたときに、訪れた皆さんがどう使うか、という社会実験でもありました。教室の椅子が都市のなかでコミュニケーションツールとして生き還る面白さを感じました。その後、椅子は市の協力もいただき日本大通にも設置することができ多くの皆さんの目に触れ、ご利用いただくことができました。

昨年の第3回では優秀作品の「音のカケラ」が印象的でした。大きなメガホンのようなストリートファニチャーから色々なことが発信されていくというコンセプトでしたが、実際に展示された作品に子どもたちが集まって、メガホンに触れたり声を出したりしていて、その様子から「街に溶け込んでいるな」という実感を強くしました。また毎回、最終審査を経た入選作品がカタチになるわけですが、これまで惜しくも入選しなかった作品のなかにも素晴らしい考えや、感激するようなアイデアがたくさんありましたね。

──●第4回は9月に作品が展示になりますが、今回の特徴はどのような点にありますか。

今回は横浜トリエンナーレと開催時期が重なり、光栄にもトリエンナーレの関連イベントのひとつとして位置付けていただき、実作品の展示会場は横浜美術館前のグランモール公園となります。運営委員会としても非常に盛り上がっており、この機会にストリートファニチャーの公共認知度を一段と高めていきたいと意気込んでいます。今回のテーマは「はじまる」です。現在、みなとみらいエリアにはグローバル企業が集まり、横浜駅の再開発が進み、横浜市役所は新しく生まれ変わり、山下埠頭の開発も控えているように、横浜は今、第二の開港ともいえる時期を迎えていると思います。そのタイミングで、ここから何かが始まっていく、という思いも込められています。今年は5月23日に一次審査を実施し、6月10日に象の鼻テラスで公開審査を行う予定です。中法人会の皆さまにもぜひご応募いただければと思います。ご覧いただき「面白いことをやっているな」「応援したい」と思っていただければ、協賛に加わっていただきたいです。これからの経済活動において企業とアート、デザインは親和性があると思いますので、そのきっかけづくりとして私たちの輪に加わっていただければ嬉しいですね。

──●中法人会の皆さんにほかにもメッセージはありますか。

今年の公開審査は公共の場所で行われますが、今後たとえば民間事業者の展示スペースなどをご提供いただければ素晴らしいですね。それを常設展示したり、入賞作品のデザイナーさんと直接やりとりをして、その空間をよりイキイキとしたものにしていくといった、この事業を起点に色々なコラボレーションが生まれるといいな、と思っているのです。募集して審査して、作品にしました、ということで終わらせるのではなく、コンペの最終的な目的はそういうところにもあります。またコンペの協賛企業の皆さんには、資金的な援助だけではなく運営委員に加わってもらったりしていますが、そこでは普段あまり接する機会のない業種の方との出会いもあります。交流会などを重ねていくうちにビジネスチャンスが生まれるケースもありますので、そういうことに積極的に関わろうという方も大歓迎ですね。

──●今後のコンペのビジョン、展開をどのように考えています。

運営委員会で毎年皆さんと議論をして、よりよいものに発展させていきたいと思っています。都市のアイデンティティは風景でもあると思いますから、横浜らしさが醸し出されるストリートファニチャーが生まれていくことを期待しています。またコンペの応募は県内だけではなくたとえば京都やスイスなど、国内外から集まってきています。横浜というフィールドでプロアマ問わず、多くの方の発表の場になると同時に、それを横浜だけではなく世界に発信していけたら素敵ですね。

キクシマビルにて(2月26日取材)
インタビュアー広報委員 福井・大内

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