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公告の掲載について
太田 孝 氏
インタビュー 2019年05月
昼夜人口比率の格差が拡がる中区において防火・防災の在り方を具体化していきます。
横浜市中消防署長
太田 孝 氏  
PROFILE
東京都あきる野市出身(高校時代まで)。趣味/旅行(特に京都は30回以上)、読書、ドライブ。1984(昭和59)年4月 横浜市入庁(消防局)。1986(昭和61)年10月 横浜市消防局総務部総務課財政担当。1994(平成06)年4月 横浜市消防局警防部指令課無線主任。1998(平成10)年5月 横浜市保土ケ谷消防署本陣消防出張所長。2000(平成12)年4月 横浜市消防局総務部企画課調整担当係長。2002(平成14)年4月 横浜市消防局総務部総務課経理係長。2004(平成16)年4月 横浜市消防局総務部総務課庶務係長。2008(平成20)年4月 横浜市消防局総務部施設課長。2010(平成22)年4月 横浜市消防局総務部企画課長。2014(平成26)年4月 横浜市消防局警防部司令課長。2015(平成27)年4月 横浜市消防局担当部長兼救急課長。2016(平成28)年4月 横浜市南消防署長。2018(平成30)年4月 横浜市中消防署長

──●今年は中消防署の100周年ということでさまざまな行事を予定されているそうですね。

はい、まず年頭の出初式では例年と少し趣向を変えて、江戸時代にさかのぼって木遣りやまとい振り込みを披露しました。次に江戸後期のバケツ消火、明治から昭和初期にかけての腕用ポンプ、そして現代のスタンドパイプといったように時代を追って消火戦術がどのように変ってきたのかを見ていただきました。3月には区役所とタイアップし、横浜開港記念会館で防災減災講演会を行いました。第一部では、横浜開港資料館の吉田律人氏(調査研究員)により「大火災にむきあった人々〜関東大震災と横浜の消防体制」というテーマで講演をしていただきました。初めて聴く話も多く大変ご好評をいただきました。

──●今後開催される注目すべき行事はありますか。

最大のイベントが11月2日から来年の1月26日まで約3ヶ月間かけて、「横浜開港資料館 平成31年度第3回企画展示」が行われます。横浜の消防をテーマにさまざまな角度からの展示を行っていただく予定です。ぜひご来場いただければと思います。

──●100周年というと国内では最も歴史のある消防署になるのでしょうか。

1919年に大正天皇の勅令で、人口が集中している都市は災害も大きくなるため消防署を置くようにお達しがありました。それが5大都市で、西から神戸、大阪、京都、名古屋、横浜でした。横浜では第一消防署、第二消防署ができて、それが現在の西消防署、中消防署になっています。

──●いずれにしても歴史がありますね。

もともと中消防署は明治時代の居留地の防火・防災を担うために設置されたところから始まっているので、外国からポンプが入るのも早く、近代消防を初めて行ったのも横浜が最初という説もあります。

──●現在隊員数はどのくらいですか。

私以下202名です。中区には市内で唯一、山手、伊勢佐木、加賀町の3つの消防団があります。市の中心部ということもあり、日常業務に加えて行政や福祉施設などとの接点が多いのが特徴ですね。

──●消防署として、現在の課題などはありますか。

東京2020オリンピックを控え、関内関外ともに建設ラッシュが佳境に入り、新市庁舎の移転や高層ビル、ホテルの建設などで、建物の消防検査が集中する傾向にあります。更には、横浜スタジアムの改修、横浜文化体育館サブアリーナ建設などもあり、今後は昼間と夜間の人口格差が大きく拡がってくるでしょう。現在、中区の人口は約15万人で、夜を100とした場合の昼間の人口を見る昼夜間人口比率は1.62倍の約24万人になります。この数字には観光客数が含まれていないので、今後の開発状況を踏まえると昼間人口は40〜50万人になることも予想されます。災害は人口に大きく影響しますので、昼間だけ稼働する救急隊を置くとか、柔軟に配置を考え直す必要もあると思います。

──●観光地としての人気が高まると、一方で消防署の負担も大きくなりますね。

横浜港で7隻の客船が停泊できるようになると海からもドッと人が街に入ってきます。さらにロープウェイが完成したら、万一上空で止まってしまったら、という3次元での救助にも対応していく必要があります。これから新たに考えていかなければいけないことはたくさんあります。

──●今年も横浜では多くのイベントも予定されていますから、その都度色々なご苦労があるわけですね。

イベントなどではよく回遊性が経済効果を高めるといったことが言われますが、消防にとっては、人々の導線が警戒すべき対象エリアになりますから、広い視野で人の動きに着目して考えなくてはなりません

──●観光客の防災意識を高めるのはなかなか難しそうですね。

中区の海側のエリアに観光で来られている方々が、津波警報等を受けてスムーズに避難できるかは懸念があります。先日、夜の避難訓練を行い改めて思ったのは、複合ビルに入ると方向が分からなくなることです。停電になっていたらなおさらです。地元の方ならどちらが海なのか分かりますが、初めて訪れた方にとっては難しい。たとえば地震で津波が来る場合に備えて、内陸部に音や光を出して誘導するといったことも検討すべきと考えます。

──●地元住民の防災意識についてはどうとらえていますか。

日頃の活動などを通して、中区エリアについての防災意識は高いと感じています。たとえば我々も小学生を対象に「防災教室」を実施しており、そこでは消防団の方にも協力してもらっています。友だちの「おじいちゃん」が指導にあたったりするので児童にとっても親しみやすいようです。東日本大震災の教訓からも、小学生のうちから自分で判断して避難できることを学んでおくことはとても大切です。

──●本誌読者は中区の法人が多くなりますが、消防署からのご要望はありますか。

温暖化で台風が年々、巨大化する傾向にありますが、中区は風に弱いエリアで、外壁や屋上の付帯設備が風で飛ばされることも少なくありません。ビルを所有されている方などは、今一度、点検を行っていただければと思います。また建設ラッシュで、工事現場はかなりお忙しいと思いますが、ヒューマンエラーによる事故も見受けられることから、安全管理面での配意を今一度点検し災害リスクを下げていただければと思います。

──●24時間365日態勢というのは大変なお仕事で、隊員の皆さんには頭が下がります。

指令が入れば、すぐに出動するのが我々の任務ですから、そのために訓練を行っています。ただ出動回数が多いといった過度な負荷がかかるようなケースには十分配慮して隊員の体調管理を優先した勤務を指導しています。

──●中消防署としてのアピールなどありますか。

100周年を契機に、過去の大災害の教訓である「地域防災力」がいかに大切であるかを「現在そして未来へ」と繋げ、切迫する大地震に備えることで、被害を最小限に食い止めることが我々に与えられた任務だと思っています。そのために、地域や事業所の皆さまにも是非、自助力、共助力の強化について、定期的な検証と訓練をお願いしたいと思います。大地震は必ずやってきます。広域にわたって同時多発で被災する面的大災害には皆様の協力が不可欠です。安全で安心できる暮らしを実現するためにも一層の連携に御理解と御協力をいただければと思います。

横浜中消防署にて(2月22日取材)
インタビュアー 福井、中野

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