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宮島 真希子 氏
インタビュー 2018年03月
生きづらさを抱える人たちの居場所・集まる場所として開放していく活動をしています。
NPO法人横浜コミュニティデザイン・ラボ
宮島 真希子 氏  
PROFILE
NPO法人横浜コミュニティデザイン・ラボ理事。1988〜2010年まで神奈川新聞で記者として働く。 地域の課題解決に取り組む市民を支援するウェブサイト「LOCAL GOOD YOKOHAMA」や、 ソーシャルインクルージョン(社会的に排除された状況にある人々が現状から脱するための取り組み)の ハブ拠点「アンブレラ関内」など地域プロジェクトを推進している。

──●まず「アンブレラ関内」というのはどういう場か教えていただけますか。

私が理事をしているNPO法人「横浜コミュニティデザイン・ラボ」の事業の一つです。「アンブレラ関内」というのは場所の名前で、相生町3丁目のビルの1部屋です。アンブレラって傘ですね。アメリカの都市ニューオーリンズをハリケーン・カトリーナが襲った2005年、復興のためのマルシェの名前から取りました。「どんな人でも傘の下で雨宿りしていいよ」という意味です。学びづらさや生きづらさを抱える人たちの居場所・集まる場所として開放していく活動をしています。

──●いま、生きづらさを抱えている人も多いでしょうね。

多いと思います。そんな人たちが、「ちょっと話そう」とか、「みんなで学ぼう」という場としてつかっていただければ。2016年の4月にオープンして、2017年の4月から(日中は)通信制の明蓬館高校の高校生がeラーニングをしています。正式名称は「明蓬館高等学校横浜・関内SNEC(SpecialNeeds Education Center)」といいます。通信制高校のサポート拠点というもので、主にコミュニケーションに特性があり、特別に支援が必要な子供たちが学んでいます。通信制ですが、週に4日登校して支援員とともに学んでいます。発達障害があると、大人数が苦手だったり、決まった時間割はこなせるけど自由度が高い学校だと混乱してしまったりなど、特性があるので、サポートが必要なのです。

──● 宮島さんはなぜ発達障害者支援を?以前は新聞社にお勤めでしたね。

そもそもは、私の子供が4歳の時、「自閉症スペクトラム」と診断されたことがきっかけです。発達障害も様々で、コミュニケーションが苦手といわれる自閉症スペクトラムや、知的な遅れはないが読み書きに支障がある学習障害と言われる人など千差万別です。特に、知的な遅れがないボーダーの子供たちが本当に苦労していて、不登校になったりいじめの対象になったりして、自己肯定感・自尊心を奪われてしまう状況があります。

──●学校には支援体制がないのでしょうか。

横浜市は、乳幼児から義務教育期間である小中学校は支援体制が整備されている方だと思いますが中学校卒業後の進路はかなり難しくなっています。知的能力が高い場合、特別支援学校には行けない。普通高校だと合理的配慮がないので学校に居づらい。引きこもりになったり、二次障害的に精神障害を発症してしまったりすることもあります。そのような子供たちを現状フォローしているのが通信制の高校なのです。明蓬館高校の日野公三校長と知り合って『横浜に、発達障害に特化した拠点を作りたい』と話されていたことに共感し、できることをしようと思いました。『通信制高校のサポート拠点を軸に、生きづらさを抱える人たちが集まって情報交換する場所を作りたい」とビルのオーナーさんをはじめ、周りの人たちに少しずつ話をし、みなさん賛成してくださって。さくらWORKS〈関内〉はシェアオフィスですが、会員に建築家や照明の専門家がいて、お金が払えるかわからない段階から設計図を書いてくれたり、材料を注文したりと、皆さん積極的に動いて下さいました。

──●周りが賛同してくれて、みんなの力でできたのですね。

そうです、そうです。クラウドファンディングで改修費と情報発信の費用を募集しました。私は毎日ブログを書いたり、会う人ごとにお話をしたり、情報発信してたのですが、ファンディングの間に胆管炎になってしまって入院してしまったのです。けれど、なんとか136万円を集め、みんなの力で改装しました。

もうひとつ、「ギャンブル依存症問題を考える会」の方たちと知り合ったのも大きかったです。(当事者の)自助グループと言って、同じ悩みを持つ者同士が静かに話し合う場が必要だと聞いて、(「アンブレラ関内」は)落ち着いて話ができるとてもいい木の空間なので、夜の時間を使ってもらえたらというのも構想に入っています。

──●日中だけ使っている明蓬館高校の子どもたちにはサポートがあるのですね。

基本はeラーニングで、もう一つは自分でテーマを決めて調べて、成果を発表する。支援員といわれる先生と相談しながらやっていきます。あと、精神的に不安定なときは臨床心理士にすぐ相談できる体制を整えているのが(一般のサポート拠点と)違う所です。今6人来ていますが、非常に問合せが多く、2018年4月には弁天通3丁目に明蓬館高校として20人程度が収容できる拠点を開設する予定です。

──●横浜市全域から応募してくるということですね。

発達障害が増えていることもあって、横浜市には大きなニーズがあるのに普通高等教育として受け入れる学校がほとんどない。公立の仕組みが変わるのには時間がかかります。民間の私立通信制学校が受け皿にならなくてはならない。「こういう拠点がいっぱいできることが大切だよね」って皆で言ってます。

「アンブレラ関内」は発達障害という私の個人的な関心から始まりましたけど、精神障害や依存症や、生きづらいと思った方が「ゆっくり考え、対話ができる場所」として考えています。働いていて鬱になったとか、そういう方たちに、こういう街中でちょっとホッとできる場所として使っていただければと思います。

──●立ち上げて2年。やってみての課題は?

本当は、発達障害の当事者に必要なローカル情報を交換し合うようなメディアも、必要だと思ってます。掲示板の延長のような簡単なものでも…。でもまだ手を出せないでいます。ほかには、お母さんたちの活動サロンなどにもう少し力を入れ、地域に開放していくこと。また、発達障害の子たちへの理解を深めるようなイベントもやっていきたいですね。

──●こうした活動では、土日はお休みというわけにはいかないですか。

ええ、土日にイベントを組むので。自分の子どものPTAとかで平日に休んだり、フレキシブルです。(労働は平日という)考え方自体が問われているところがある。プライベートと仕事の境界が曖昧なのが面白いという人でないと務まらないかな。経営者の人もそうだと思います。

──●そう、サラリーマンの人には「そんなに働いていいことあるの」とか言われますけれど、まあ、労働が趣味なのかもしれない。

そうなんです。好奇心を持って、休みでも関係のイベントがあると面白いかなと思って行っちゃって、けっきょく仕事の名刺を出したりしてるじゃないですか(笑)。仕事なのかプライベートなのかと言われると、分けられない。面白いからやっている。もちろん、カラオケ行ったり温泉行ったりも好きですけど。それだけだと空しくなったり。

──●特に趣味というのはありますか。

時代小説とかミステリーとか、一気に読むのが好きなんです。一気読み・一気に見る、とか。

──●時間がないから?

そうですね。休みだと引きこもってその世界にどっぷり浸る。時代小説は藤沢周平とかが好き。アウトドアは得意じゃないです。散歩は好きですけど無目的に歩く時間がなくて。不器用なのでいろんな事をする力がなくて、のろまなので(笑)。でも、ワークショップなど対話の場を設計したり、そこで生まれたみんなの知恵をまとめたりする、そんな現場を作る勉強をしています。あと、ユーザーに聞いて企業へフィードバックする調査活動などの仕事もしたりしています。

──●「アンブレラ関内」の子どもたちには高校の後の就労の心配もありますね。そうした活動は?

はい、これは法人会さんの機関誌なので(お話しすると)、社会的なコミュニケーションがうまくできなかったりする特性を、雇ってもらう企業の方にも理解してもらう必要がありますよね。その仲立ちに入る、就労移行支援という国の事業があります。そういう所と法人の方たちを結びつけたりしたいと思っています。

2018年4月から精神障害者も雇用が企業に義務づけられるようになって、企業側も「どうしたらいいか」というのもあると思うのです。(雇用率未達成で)納付金を払っているケースがあると思うんですが、障害者雇用を促進してかつ業績が上がったという研究結果を、CSRが専門の横浜市立大学の景山摩子弥教授がお持ちなので、企業側に理解してもらえるようなイベントや情報発信をしていきたいと思っています。

──●企業側の理解と、行政側からの補助がある程度必要ですね。

補助のほか、会社に入ってからのサポートをする、専門知識がある人材を派遣するなど、いろんな支援の形があると思います。

中法人会で障害者雇用に関心のある方がいらっしゃったら、勉強会でも(開催して)、どんな特性がある人たちか知ってもらうことが私の役割。コミュニケーションに癖はあるけれど、真面目に、熱心に仕事をする人たちがほとんどです。お互いの特性をよく知りさえすれば、できることはいっぱいある。人材不足と言われる折り、発達障害の人達が活躍できることは企業にとってもプラスだと思います。

──●まず、そういう人や、できることがあるのを知ることですね。今後につなげていけると良いと思います。ありがとうございました。

さくらWORKS(関内)にて(2017年11月21日取材)
インタビュアー 福井

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