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小川 純子 氏
インタビュー 2017年7月
神奈川県の情報を全国に、海外にも、発信することが最大のミッションかと思います。
NHK横浜放送局 局長
小川 純子 氏  
PROFILE
昭和60年NHK入局。報道系ディレクターとして、ニュースやドキュメンタリー番組を制作。高松放送局で勤務後、東京で「クローズアップ現代」や「NHKスペシャル」などを制作。平成15年から海外ドラマやドキュメンタリーの購入・放送を担当。その後、NHKの番組を海外に展開する部署の部長などを経て、平成28年横浜放送局局長として赴任。

──●まずNHK放送についてお伺いします。以前に比べて放送チャンネルは増え、それぞれ分野が違うのですよね。テレビは総合と、教育のEテレ。ラジオはFMが音楽。ラジオ第1は「24時間安心ラジオ」というのですか。

ラジオ第1は防災の時に役立つと思います。NHKについて勉強されてますね( 笑)。ラジオ第2が教育で、最近は学校の教育だけでなく生涯教育にも広げています。(衛星放送は)BSがニュース・スポーツ。BSプレミアムが教養とエンターテイメント。

──非常に多岐にわたっていますね。横浜放送局の役割は?

横浜放送局は去年で90周年。取材と受信料をいただく拠点です。他の地方放送局と違うところは、たとえば静岡局ですと18時台のニュースとか、静岡県民向けのテレビの枠があるんですが、横浜はそれがないんです。東京に首都圏放送センターがあって、そこから出される番組が神奈川県向けにも出ている。横浜で(放送を)出しているのはFMしかないです。

──FMの音楽トーク番組「横浜サウンド・クルーズ」だけですか。

ええ、月〜金の午後6時から。最近は時々出張して、大岡川の桜祭りや、オクトーバーフェストのときは赤レンガ倉庫からお伝えしたこともあります。

──ところで、そもそも、小川局長がNHKに入社された動機は?

そもそも……男女雇用機会均等法が出来る直前で、四大卒の女性の就職先は少ないと言われ、その中で比較的多く採っているのはNHK。幾社か回った中で、たまたまNHKさんに採っていただいた(笑)。

──最初はどんな部署に?

東京の報道局に。3年目に地方に転勤する話になったんですが、その頃は「女性を地方に出して大丈夫なのか」みたいに言われて、何を心配しているんだろう?と(笑)。で、四国の高松局に異動になり、1987年から1990年までいました。赴任は宇高連絡船。そのころ瀬戸大橋が開通し、四国に陸海空の交通インフラがそろって、(ディーゼルでない)電車が走った、高速道路が開通したという中継もやりました。その後(東京の)報道局に戻りました。「クローズアップ現代」が始まったときで、「クローズアップ現代」や「NHKスペシャル」とかを主に作る部署にいました。

──放送局はかなり遅くまで仕事するイメージがあります。

忙しかったけど今より余裕がありました。衛星放送が始まってから、一気に忙しくなった気がします。 BS1とBS2とハイビジョンと3波出したので、同じ(社員の)人数で工場が3つ増えたようなものです。NHKは速報を重視していましたが、コミュニケーションツールも発達していなくて、今ほどの速報体制はやろうと思ってもできない時代でした。ニューヨークやパリから映像を送るのも空輸。テープが届くのを待ってから編集して放送する。

──メールで送る時代ではなかったですからねえ。

ようやく衛星を使った電送システムが整ってきたのは1980年代後半。ベルリンの壁が崩壊の前後あたりです。24時間回線が日米、パリともできて、そうするといつでも映像が入ってきちゃう。朝の国際ニュースの担当は、今までは「待つしかないから深夜は休める」と言っていたのに、仮眠ができなくなった(笑)。寝ずに編集して翌朝の5時には出す(放送する)。

──便利ですが大変になりましたね。その後、担当された「冬のソナタ」が大ヒットしました。

私は放送が始まってから担当になったんです。BSを契約してくださるお客様には海外ドラマファンが多いのですが、当時は「ER緊急救命室」が大ヒット。世界で、他の国でも見てもらえる連続ドラマを作れるのは、やっぱりハリウッドが強いんです。でもその後、ヒット作品が出ない。何かないかと探して、香港や台湾、韓国で現代物のテレビドラマが出始めていて、韓国ものは、泣き所や笑い所は日本と共通しているところがあるけれど、感情表現がオーバーで日本人には向いていない、「冬のソナタ」は抑制的なので買うことに決めたそうです。あそこまでヒットするとは意外でした。

──NHKは、ドラマ担当より報道のほうが強いと言うことは?

そうですねえ、〈報道命〉みたいなところはありますけど、朝ドラや大河ドラマがあるから(受信料)払うという方も(笑)。自分が公共放送で働いているからですけど、健全な公共放送がない国は危うい気がします。一気に(右寄りに)行ったり(左寄りに)行ったり。アメリカは、トランプを指示する人はFOXニュース、指示しない人はCNNしか見ない(中間がない)と言われます。日本は、「NHKが出している情報は真っ赤な嘘だ」と思っている人はそんなに多くないと思うのです。NHKの番組「白熱教室」で知られるようになったハーバード大学の、(哲学者)マイケル・サンデル教授は、社会の装置として公共の基盤が必要だと言っているのですが、NHKはそれを果たさなくてはいけないと感じます。

──なるほど。これからのNHKのあり方、放送の未来についてお聞かせ願えますか。インターネットで情報を得ることが多くなっていますが。

テレビを見ない世代が増えてきているのは確かですが、年齢によるとは思いますが、やっぱりまだテレビの影響は絶大。テレビ視聴率は1%で百万人、(ネットで)百万のアクセスを取るのはめちゃくちゃ大変です。ネットに、たくさんのお金と人をかけてもテレビの1%がとれるとは限らない、という大前提はありますが、放送だけでは届かない人に(情報を)どう届けるか、ネットでの工夫はしなくてはいけないと思います。

──報道番組で想定外のことが起きたりとかはありますか。

個人情報管理や配慮は昔に比べて非常に厳しくなりました。録画して、拡大して再現したら(小さく写っている物も)わかっちゃいますね。生活保護など貧困問題を取材すると、放送に協力してくれた人、弱い人を平気でバッシングする風潮が出てきた。そこを考えて取材しないといけない。(原発いじめも)子どもだけでなく、大人も大人にいじめられている。「どうせ補償金もらってるんだろ」と言ってるわけですよね。

──子どもは(補償金など)わかっていないのに、大人が言うからですね。子どもに関しては、我々は税金教育として、みなとみらい駅で子どもフリーマーケットをやっています。地元の取材もよろしくお願いします。

はい、NHK横浜放送局は、神奈川県の情報を全国に、海外にも、発信することが最大のミッションかと思います。神奈川県は魅力があるんです。「ブラタモリ」で箱根を特集しましたが高い視聴率を得て、横浜や横須賀も評判がいいんです。海も山もあって、異国情緒もある。人口もとても多い。したがってユニークな活動をされている方が多い。放っておいても東京から取材に来る。そこに入りきらない情報を私たちが拾って東京に提案していく。残念ながら事件や事故も多い。人口が多いからしかたないですが、川崎の簡易宿泊所の火災とか、病院の異物混入とか、原発いじめとか、現代的な、いろいろ考えさせられる事件が多いです。ちゃんと取材して、課題をきちんと提示していくことが大事だと思っています。

──横浜に赴任されて1年ですね。横浜放送局の周りは欧米文化発祥の地がたくさんあります。見て回られましたか。

私の学生時代はハマトラの時代で、元町ファッションと中華街のイメージでしたが、日本郵船歴史博物館、元イギリス総領事館の横浜開港資料館、日本丸の近くにある横浜みなと博物館、外国人墓地などを訪れましたが、日本の近代史をとても考えさせられます。横浜の歴史ってすごーく面白いですよね。(学校では)日米修好通商条約とか勉強しますが、庶民レベルの文化や商業の話は勉強する暇がない、いつも飛ばすじゃないですか(笑)。クリーニングやパンが始まり、ガス、電信、水道、鉄道。鉄道技師のエドモンド・モレルさんが外国人墓地に眠っていますね。フロンティア・スピリットというか、情報がないあの時代によく来たなあと。当時の横浜はそういう空気が満ちていたんだと思うと、楽しいですね。

──外国から来た方々はすごいですね。本誌で「横濱・コスモポリタンの群像」として年2回掲載しています。創業百年という企業はいろいろありますけど、もとは明治維新の頃に地方から来られた人たちですね。

外人に対する排斥運動も激しくて、商売取引をしている(日本の)人たちも犠牲になったと読みました。そんな横浜に、ふるさとを出て人生を賭ける人たちの思いや勇気はすごいですね、びっくりしますね。

──最後に横浜放送局ではモニター鑑賞ができるそうですね。

はい、8Kのスーパーハイビジョンがあって(場所中は)大相撲が見られます。クラシック音楽や、オペラとかも、最近コンテンツが増えました。22.2マルチチャンネルの3次元音響で音が後ろから聞こえて、すごい。ぜひ一度おいでください。

税経研修センターにて(5月15日取材)インタビュアー 植草・福井・中野

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