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林 文子 氏
インタビュー 2010年4月
市民の皆様、市会の方々、職員の人たち、市長、この4者が良いコミュニケーションをとったら、難局は絶対乗り越えられると思っているんです。
横浜市長
林 文子
PROFILE
1946年東京都生まれ。1965年東京都立青山高等学校卒業。1977年ホンダオート横浜株式会社入社後、1987年BMW株式会社東京事業部(現BMW東京)入社、1999年ファーレン東京株式会社(現フォルクスワーゲン東京)代表取締役社長、2003年BMW東京株式会社 代表取締役社長、2005年株式会社ダイエー 代表取締役会長兼CEO、2008年5月日産自動車株式会社 執行役員、2008年6月東京日産自動車販売株式会社代表取締役社長を経て2009年8月横浜市長就任。現在に至る。趣味はバードウォッチング、ウォーキング、落語や古典芸能の鑑賞など。

──まず、市長に立候補されたきっかけから、お教えいただけますか。

ご要請をいただいたんです。ほんとに突然のことで、決断するまで2日しかなかったんです。お話を聞いているうちに、市長とは本当に人々の生活のお役に立つことができる仕事だと思って、立候補をお引き受けしました。それと、私は自動車販売などの小売業の現場でずっと仕事をしてきましたので、(経験が)役に立つのではないかと思いました。

──今までされていた東京日産自動車販売やダイエーなどの企業経営と、横浜市の経営と、共通する点・違う点はありますか。

共通点はとても多いです。9月1日に最初に登庁して18区の区長さんとごあいさつした時に感じたのは、ダイエーでお会いした全国の支店の店長さんと雰囲気が似ているということだったんです。というのは、私は市役所はサービス業だと思っています。特に区役所は区民の皆さんに絶えず接しますし。人と向き合わないと仕事が成り立たないところが、今まで経験してきた小売業に非常によく似ていて、共通項を感じて(市長職に)入りやすかったですね。違う点は、法律に則ってやらなくてはいけない仕事で、市民の皆様の大事な税金をお預かりして行うというところです。民間と違った意味の緊張感が強いられますね。

──市長職は激務だと思いますが、体調管理はどのようにされていますか。

前は、毎朝早くから50分くらい歩いて日の出を拝んでいたんですが、最近できていませんね。就任してまだ半年ですから、今は本当に時間がなくて。この仕事は〈分〉でやる仕事なんですね。最近「5分間って長いな」と思うようになりました。

──5分間は、ぼうっとしているとすぐ立ってしまいますけど……。

いえ、スケジュールの間が10分というのが多くて、5分オーバーするとあと5分しかない。でも、あと5分間あれば大丈夫、という気持ちがあります。とても効率的なスケジュールで登庁したら、無駄な時間は一切なく、充実しています。でも、あんまりいいことじゃないかな。職員の方には「ワーク・ライフ・バランス(仕事と私生活の充実)をお願いします」と言ってるのに(笑)。

──お休みはとれませんか。

ええ、今までの生活に比べたら。土曜、日曜は行事が多いですから。市長が交代しても市長の仕事自体継続性がありますので、新人でもやることはベテランの方と変わりません。(就任直後)いきなり国際会議の議長をする仕事から始まったり、さまざまなことを一気呵成に経験できたので、ありがたかったですよ。選挙戦がはじまってから就任するまでも、50日くらい休みがなかった記憶があります。選挙も初めての経験でしたが、すごく体力を使いますよね。朝6時前から夜遅くまで、ものすごく暑いときでしたから。あれを乗り越えてからわたし、何でもできるようになった気がしました。

──真夏でしたし、特に暑かったですからね。

今までも講演はずいぶんやってきましたが、外で話すのは全然別のものですね。とても勉強になりました。昼下がりの公園で人があまりいないのにお話したり、朝の駅で、皆さん忙しく出勤していく所で「林です」なんて言うのは恥ずかしかったですね。自分がこんなに恥ずかしがりだと思わなかったですね。いちばん恥ずかしかったのは、選挙カーに大きな看板が付くでしょ。大きな顔がね。うわあ、恥ずかしい(笑)と思いました。選挙って、精神力試されますね。(終わって)ほんとに、修行から抜け出したって感じ(笑)。

──期間も決まっていて時間がないですしね。

ええ、あの選挙戦の後、体調が良くなったこと良くなったこと(笑)。真夏だったからすごい汗かいて。

──デトックスですね。それが市長の健康法だったんですね(笑)。

(市長職は)一日に何回も外に出てスピーチすることもあるし、中で重要な会議やって終わったとたんにぱっと外に行ってご挨拶して戻ってきたり、こんなに多岐にわたる仕事は他にないんじゃないでしょうか。頭の切り替えを速くしなくちゃいけないですね。やらなければいけないことが山のようにあるというのは幸せかもしれません。63歳になって、生まれ変わったように活性化しました。どなたに会っても「なんでそんなに元気なの?!」って。

──あのう、ご家族のこともお聞きしてよろしいですか。

プライベートなことも聞くと(取材申込み書に)書いてありますね(笑)。聞きづらそうにしてらっしゃる(笑)。家族は3人ですけど、娘は独立して、夫と2人でおります。夫は定年退職して、今は絵の先生、趣味が高じてセミプロになっちゃったんです。2年にいっぺん個展をやって、水彩画の教室もやって、わたしから見ると、いちばんうらやましい生活(笑)。

──恋愛結婚でいらした?

もちろん。松下電器産業に私は事業部長秘書で入って、夫は技術課の若い技術マンだったんです。出会って1か月で婚約しちゃったんです。

──そのときもご決断が早かったのですね(笑)。

わりと決断は早いほう。相性がいいなと思ったら、結婚生活は、お互いに歩み寄って構築していくものだと思うので、(婚約までの)時間じゃない気がしますけど。

──ところで、橋下知事や東国原知事はテレビによく出ますけれど、市長は出演など考えてらっしゃいますか。

必要なものはもちろん出ますけれど、わたしは横浜市長ですので、横浜市の中できちんと仕事したいというのがあります。あの方たちはもともとテレビの人気者でいらっしゃいますからね。私は、現場を歩きながらやっていきたいですし、まだ(就任して)半年ですので、自分の目と耳でしっかり現場を見ることをまずやりたいと思います。

──何事も現場を見て決めるということですか。

そうですね。行政の仕事は、赤ちゃんから高齢者まで、人の一生にかかわってくることですから、ものすごく多岐にわたっているわけです。実際に生活している方や活動している所へ行って、いつも現場の空気を感じてないと成り立たないでしょうね。反面、経済の活性化など、横浜市の中長期のことについてもきちんとやって行かなくてはいけない。大変ですけど、やりがいはありますね。それに、こんなにさまざまな方にお目にかかることができる仕事はないんじゃないですか。手前味噌になりますけど、横浜市は職員の方がほんとに優秀なんですよ。それなのに「ちょっと力が出きってないな」という感じなんです。いかにその力を出してもらうかが、市長の仕事だと思っています。市長は一つのことのスペシャリストである必要はないわけで、職員の方が力を出せるよう、マネジメントする立場なんです。あとね、市議会の先生方、本当に魅力的なの。一人一人がすごい個性的なんです。本当に人のことを考えて生きている。あの方たちもわたしも選挙で選ばれてきて、市民の皆さんのためにつくしたいという目的は全くいっしょだから、不毛な対立は必要ないですね。信頼感を大事にしたい。今の世の中の傾向って、まず批判してから始まるみたいなところがありますが、まず、信頼の輪を作るのがいいと思うのです。いい所をお互いに出し合う。人には力があります、必ずいい所がたくさんあるんです。ほめて、人を育てる。民間企業の時、ずっとそれをやってきました。

──今は経済成長が難しいですし、閉塞感が強いですけれど。

これだけ市場経済が円熟してしまって、世界中で「どうやっていこうか」と思っている時代ですね。だけど、今ある現実の中で最良のことをやろうと思ったら、プロセスをもっと大事にすべきだと思うのです。成果ばかり見てしまいますけど、厳しいときだからこそ、プロセスを大事に、人と向き合っていくことがすごく大事。そこから生まれる信頼感というのはお互いに力になって、正のスパイラルに入り込んでいくというのが、私の信念にあるんですね。コミュニケーションが非常に大事だと思っていて、市民の皆様、市会の方々、職員の人たち、市長、この4者が良いコミュニケーションをとったら、難局は絶対乗り越えられると思っているんです。今、週に1回ですけど、職員が朝礼をやっているところにお邪魔して、話をしているんです。「信頼感を作っていきたい、市長と皆さんの距離を縮めたい」ということを、ロジックで固めた感じでなく話すの。わたしがどんな人間かわからない状態で「こういう政策をやります」と聞くよりは、週1回でも皆さんとお話ししていれば、思いが伝わるんじゃないかな。(職員)2万7000人もいるんだからって最初から諦めるのではなくて、いまお目にかかった人に一生懸命向き合うのが大事だと思ってやっています。

──お忙しいなか、ありがとうございました。

すみません、時間があまり取れなくて。これで失礼します。どうもありがとうございました。

横浜市役所 市長室(2月19日取材)
インタビュアー 小竹・植草

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