【2014.09】酔いどれ主治医。
僕には、主治医がいる。
主治医でもあるけど、仲良しのトモダチでもあります。
中崎ドクター、略して中ちゃん
医者の友人がいるって、心強いですよ。
カラダのこと、セキララに相談できるし。
出会いは約3年前。
実は僕、タバコを止めて3年ほど経つのですが、自力で止めたのではなく、いわゆる、禁煙外来の力を借りたんですね。
その時出会ったのが中ちゃん。
仕事場の近くで禁煙外来のあるクリニックを探していたら、中ちゃんのクリニックにヒットした、というのがきっかけ。
禁煙外来にかかると、タバコから徐々に離れていくクスリ、というものを処方されます。
で、そのクスリをもらうために、定期的にクリニックに通うわけですね。
正直言って、クスリなんか飲んだって、やっぱり禁煙って地獄でしたよ。
ところが、これでも僕はモノカキの端くれ。
禁煙治療中のキツーい3か月間を、毎日、エッセイテイストの日記として書いていこう、と決めたのです。
そうやって楽しまなきゃソンだもん。
もちろん、発表することを目論んだりしてさ。
でね、クリニックに行くたびに、そこまで書いた日記原稿を、中ちゃんに読んでもらったわけです。無理やりに。

でもね、中ちゃんは、とっても楽しそうに読んでくれるんですね。喜んでくれる。
そんなこんなで、なんだか診察を受けに行く、というより、おしゃべりをしに行くといったていたらくに。
驚いたことに同じ歳ということも判明。
そうなると、当然、そのうち機会を作って飲みに行きましょう、ということになりますね。
お医者さんと酔っぱらって話をするは初めてだったけど楽しいものです。
ナントカ細胞のオボカタさんの論文のハナシなんかも、とても解りやすく説明してくれるし、自分の研究者時代のエピソードなんかも全く正反対の人生を送ってきた僕みたいなヤサグレ者からしてみればフレッシュなハナシだしね。
僕なんかもう、オベンキョーとは程遠いところで生きてきちゃったので、勉強ができて医者なんかになっちゃって、ヒトのビョーキを治しちゃうなんてヒトはやっぱりすごいな、と思うわけですよ。
しかも同じ歳で。どうしてこんなに違うんだろう。
ところが中ちゃんは、オサムちゃんが羨ましい、みたいなことを言い出すわけです、なんかソンケーしちゃう、みたいな。
ヨッパライ話なので正確には覚えてないけど、要するに、自分はアタマが悪いので、勉強しかできなかった、というようなことを言い出すわけです。
表現で生きているオサムちゃんはエライ、と。
きっと、正統派のエリートの彼と、正統派のバカの僕、両極端だからウマが合うのかな。
ドクターとして、患者さんと向き合って診察や治療を通じた、ほぼタイマンでのコミュニケーションと、僕みたいな、広告というフィールドで、たくさんのターゲットを相手にしてのコミュニケーション。
その似ているところと全然ちがうところとかを、酔っぱらって不真面目にアツく語るのは楽しいものです。
今では、月一の中ちゃんとの飲み会がすごく楽しみ。
医者はもっと明るくライトに検査結果を説明するべきだ、といったところ、医者はまず患者さんを脅すのがセオリー、と言われてしまった。
横浜駅東口、ベイクオーター近くの中崎クリニックの中ちゃんでした。
Photo:藤間 久子『Slowly』